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ミステリー特集

カズオ・イシグロ (著)
土屋政雄 (訳)
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。
生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。
キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。
彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。
カズオ・イシグロ (著)
土屋政雄 (訳)
品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。
美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。
長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。
失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
カズオ・イシグロ (著)
小野寺健 (訳)
故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想いを馳せる。
戦後まもない長崎で、悦子はある母娘に出会った。
あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、不気味な幻影に怯える娘は、悦子の不安をかきたてた。
だが、あの頃は誰もが傷つき、何とか立ち上がろうと懸命だったのだ。
淡く微かな光を求めて生きる人々の姿を端正に描くデビュー作。王立文学協会賞受賞作。
カズオ・イシグロ (著)
土屋政雄 (訳)
アクセルとベアトリスの老夫婦は、遠い地で暮らす息子に会うため長年暮らした村を後にする。
若い戦士、鬼に襲われた少年、老騎士…さまざまな人々に出会いながら雨が降る荒れ野を渡り、森を抜け、謎の霧に満ちた大地を旅するふたりを待つものとは―。
失われた記憶や愛、戦いと復讐のこだまを静謐に描くブッカー賞作家の傑作。
カズオ・イシグロ (著)
土屋政雄 (訳)
ベネチアのサンマルコ広場で演奏するギタリストが垣間見た、アメリカの大物シンガーとその妻の絆とは―ほろにがい出会いと別れを描いた「老歌手」をはじめ、うだつがあがらないサックス奏者が一流ホテルの特別階でセレブリティと過ごした数夜を回想する「夜想曲」など、音楽をテーマにした五篇を収録。
人生の夕暮れに直面して心揺らす人々の姿を、切なくユーモラスに描きだしたブッカー賞作家初の短篇集。
カズオ・イシグロ (著)
古賀林幸 (訳)
世界的ピアニストのライダーは、あるヨーロッパの町に降り立った。
「木曜の夕べ」という催しで演奏する予定のようだが、日程や演目さえ彼には定かでない。
ただ、演奏会は町の「危機」を乗り越えるための最後の望みのようで、一部市民の期待は限りなく高い。
ライダーはそれとなく詳細を探るが、奇妙な相談をもちかける市民たちが次々と邪魔に入り…。
実験的手法を駆使し、悪夢のような不条理を紡ぐブッカー賞作家の問題作。
カズオ・イシグロ (著)
飛田茂雄 (訳)
戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名をなした画家の小野。
多くの弟子に囲まれ、大いに尊敬を集める地位にあったが、終戦を迎えたとたん周囲の目は冷たくなった。
弟子や義理の息子からはそしりを受け、末娘の縁談は進まない。
小野は引退し、屋敷に篭りがちに。
自分の画業のせいなのか…。
老画家は過去を回想しながら、みずからが貫いてきた信念と新しい価値観のはざまに揺れる―ウィットブレッド賞に輝く著者の出世作。
カズオ・イシグロ (著)
入江真佐子 (訳)
上海の租界に暮らしていたクリストファー・バンクスは十歳で孤児となった。
貿易会社勤めの父と反アヘン運動に熱心だった美しい母が相次いで謎の失踪を遂げたのだ。
ロンドンに帰され寄宿学校に学んだバンクスは、両親の行方を突き止めるために探偵を志す。
やがて幾多の難事件を解決し社交界でも名声を得た彼は、戦火にまみれる上海へと舞い戻るが…現代イギリス最高の作家が渾身の力で描く記憶と過去をめぐる至高の冒険譚。