ニックネーム:
Free Style
投稿日:2015/04/22
時代を感じる
1971年、主人公浜崎順一郎は31歳の時、父親が遺した
探偵事務所を引き継ぐ。
留守電もファックスも普及していない、パソコン、携帯も
なかった時代の話。
公衆電話を多用し、連絡がつかなければ会いに行ってみる
考えてみると大変な労力だなぁ~
その労力分、ページ数も多くなったのか、と意地悪な
見方をしてしまう。
物語は浜崎がとあるデパートで女性達がバーゲンのワゴンに
群がっている中、スリの現場を目撃
この小さな出来事が事件の幕開けとなっていきます。
ある日、若い女性が尋ねてきて浜崎に「母を探して欲しい」と
調査依頼をします。栄子の母親は元女優の神納絵里香
絵里香は所属していた、日新映画の社長の愛人であり
社長と揉めてからは映画界から姿を消していた
浜崎は当時の親しかった知人から絵里香を見つけ出し
栄子と一緒に会う約束を取り付けたが
当日、依頼主の栄子が来ない、そして部屋で待っているはずの
絵里香も電話に出ない。
娘が来なかった事を伝えるため、絵里香の部屋へ行くと
神納絵里香が殺害されていて第一発見者となってしまう
警察の事情聴取で浜崎は栄子という女性が母親探しを
依頼していないと聞き混乱する。浜崎は警察に疑われ
栄子に会うために再び、家に行ってみると
彼女は事務所に調査依頼をしにきた女性とは別人で
浜崎がデパートでスリ事件を目撃した時の被害者女性だった。
栄子に成りすました女性は何者だったのか
父親の一周忌に目撃したちょっとした事件から
始まり、父親が亡くなる直前に調査していた
現金輸送車襲撃事件が浮上してくる、絵里香殺しと
微妙な線でどう繋がっていくのか。
王道なハードボイルドで70年代の風景が甦ります
映画界のドロドロにヤクザやスリ女
浜崎のお気に入りがバヤリースのオレンジジュース
女性の服装はパンタロン、
若い人には分からないであろう用語も多々
う~ん私は違和感なく読めてしまいました。