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電子書籍 死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日

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電子書籍-死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
著者: 門田隆将
定価 ¥1,399(税込)
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商品情報

出版社名
PHP研究所
eBookJapan発売日
2016年03月11日
対応デバイス
Windows  /  Mac  /  iPhone  /  iPad  /  Android  /  ブラウザ楽読み
電子書籍のタイプ
リフロー型
ファイルサイズ
6.3MB
関連タグ
小説・文芸  /  小説・文芸 社会・ノンフィクション
平均評価
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ブクレポ
2件

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死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日 OFF
門田隆将 OFF

内容紹介

2011年3月11日、福島第一原発事故。
暴走する原子炉。
それは現場にいた人たちにとって、まさに「死の淵」だった。
それは自らの「死の淵」だけではなく、故郷と日本という国の「死の淵」でもあった。
このままでは故郷は壊滅し、日本は「三分割」される。
使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いをつづけた男たちは、なにを思って電源が喪失された暗闇の原発内部へと突入しつづけたのか。
また、政府の対応は……。
「死」を覚悟しなければならない極限の場面に表れる、人間の弱さと強さ。
あの時、何が起き、何を思い、どう闘ったのか。
原発事故の真相がついに明らかになる。
菅直人、班目春樹、吉田昌郎をはじめとした東電関係者、自衛隊、地元の人間など、70名以上の証言をもとに記した、渾身のノンフィクション。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

書籍一覧 > 死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: hi2515 投稿日:2014/03/06

知らなかった男達の不屈の戦い

まずは、その陣頭指揮に立ち、その命の限りを燃やしつくした吉田さんに哀悼の意を表したく思います。

明日で、あの東日本大震災から3年が過ぎようとし、テレビでは色んな特集が組まれています。もう1週間ほど前に読み終えていたもののレポがなかなか書けずにおりました。

3年の月日が経過したにもかかわらず、多くの被災者の方々は自分の故郷に帰る事も出来ず、臨時宿泊施設や、各地への移転を余儀なくされていると言うのも聞いていると辛いものがあります。

それでも、あれ程の甚大な被害の中で死者、行方不明者を合わせて2万人に達していない事が信じられない思いでもあります。

多くの方々を一瞬に飲み込み、その家族や友人知人の方々の心の傷だけでなく、自分の命を絶ってしまわれた方も多いと聞き及びます。

それでも、あの未曾有の大災害の中で、闘い、助け合い、協力を惜しみなかった方々の頑張った人間達の姿を胸に刻んでおきたい。

この作品は、福島原発事故直後の最悪な事態を回避するために闘った男達の真実の姿を多くの方々の取材を元に書きあげたノンフィクションです。
あの思いもかけぬ事故の対応に当たった、男達の闘いの記録は読む者の心に清冽な記憶を残すと思いますし、なんだか訳のわからない新聞記事よりはその実像が浮かんでくるでしょう。

この日本にあって、これほどの熱い男達のたぎる想いと行動力に頭下がります。

正直の処、原発の何たるかもわからず専門用語もからっきし意味不明(@_@) その意味不明な言葉を追っかけていたら数年を要してしまいそう。

でも筋は解る。放射能で汚染された現地で多くの男達が故郷を国を守るために決死の覚悟で臨んだ過酷過ぎる仕事は、実は今尚続き終息を何時迎えるのか暗澹たる思いに駆られてしまうのだけれど、陣頭指揮に立った吉田所長はじめ、最後まで決死隊として残った男達の想いは必ずや報われることと信じたい。

当時に比べれば、その危険度は格段に低くなっただろうが、それは余りにも長く果てしない闘いだ。

事故後は作業員に拘わらずとも、建物内にいた人々達までもその汚染度を危惧し脱出できないまま、各自の仕事を懸命に行い電気もない雑魚寝の様な状態の中で、次々に起こる水素爆発の恐怖と闘い、ぎりぎりの精神状態にまで追い詰められてゆく姿も現場にいた人の肉声であるだけに心を打ちます。

吉田署長や事故当時の当直長だった伊沢氏他の責任ある人々は自分と一緒に死んでくれる部下の顔を思い浮かべたと言う。汚染度がどんどん上昇し、爆発も視野に入れた中央制御室に最後まで残り何日も続いた徹夜の作業で、現場への何度もの突入を試たことによって日本は救われたと言っても過言でないと思います。

吉田署長は大らかでイラ管の上を行くダイナミックな人柄だったらしい。まあイラ管はイライラして怒鳴り散らすだけで一国の長としては余りにも情けない。

めちゃくちゃに迷走する指示系統を、適宜にかわし、最悪の事態を回避するための指示と行動力は素晴らしい。

色んな作業過程の専門用語や放射能汚染の許容範囲等、報道はこれでもかとばかりに報道と続け、国、東京電力、原子力安全委員会等の組織は、責任のなすりあいに汲々としている姿は国民の不安を煽ったと思う。

政治家は、確かに専門外ではあっただろうけれど、その対処力には言葉もない。

阪神大震災の時に国家としての危機管理能力が話題となったが、未だにそれは机上の空論で空回りしているらしい事がなんとも悲しい。

どうにも、ああいう事故があるとヒステリックに本論を忘れがちで、ただただ原発反対という世論を煽る事も落ち着いて考えて行かなければならない事だろうと思いました。

ニックネーム: sasha 投稿日:2012/12/05

「プロメテウスの罠」に挑む

東日本大震災に伴う福島第一原発の事故は、安全基準の見直しを
する機会があったのにそれをして来なかった東京電力の罪は重い。

しかし、起こってしまったことはどうにかしなければいけない。
本書は地震直後から福島第一原発の最前線で事態の対応に当たって
来た人々のドキュメントである。

予想を遥かに超える大地震と大津波。全交流電源喪失、そして発電機
の水没。本来であれば制御盤に表示される原子炉の状態も分からない。

1、2号機の中央操作室の当直長や運転員たちは、重装備の上で
何度も原子炉建屋への突入を試みる。

原子炉建屋への注水作業に駆け付けた自衛隊員は、防護服の内側の
線量計が鳴る中、信じられない光景を見る。自衛隊の放水を誘導する
為に、ひとりの職員が外に立っている。

「各班、必要最小限の人数を残して退避せよ」。原発が最大の危機を
迎えた時、当時の吉田所長から部下や関連企業の作業員に退避
命令が出る。

福島第二原発に退避した人たちは、その後、続々と第一原発へと
戻っていく。関連企業の社員は、戻ることを許可いしない社長に
対して涙ながらに懇願する。「行って、手伝ってやりたい」と。

このまま、ここで死ぬかもしれない。そんな極限状態の中で、
暴走しようとする原子炉をどうにかしようとあらん限りの力を
注いだ人たちの証言が満載だ。

原発事故関連の本はあまたあるが、現場の人々が実名で登場し、
あの緊迫した状況の中で、いかに対処して来たかがよく分かる。

そして、改めて当時の首相であった菅直人には呆れた。事故翌日
の現地視察や東電本店へ乗り込んで怒鳴り散らしたことは他の
本にも書かれている。

現地視察の際、出迎えた東電の副社長に挨拶もせず食ってかかる。
免震重要棟へ入る際に「除染を…」と言われれば「そんなことをしに
来たんじゃないっ!」と怒鳴りつける。周りには作業から返った
作業員が大勢いるのに…だ。

「逃げようとしても逃げられないぞ」。本店へ乗り込んで怒鳴り
散らした時には、テレビ会議システムで第一原発にもその声は
届いていた。

逃げるどころか、踏み止まって事態に対処している人たちにもその
声は聞こえていた。

アメリカからのプレッシャーでおかしくなっていたんじゃないのか?

本書では菅直人本人にも話を聞いて、言い訳を掲載しているが
どう考えてもあの時の日本は「宰相不幸社会」だったよ。

福島第一原発の事故は人災でもあった。だから、美談とは捉えた
くはない。しかし、その現場には一度は自らの命を捨てようとした
人たちがいたんだよね。