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本 たぶん彼女は豆を挽く

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本-たぶん彼女は豆を挽く
著者: 庄野雄治 (著)
定価 ¥1,080(税込)
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商品情報

出版社名
mille books
発行年月
2010年 06月
ISBNコード
9784902744491
版型
--
ページ数
125P
平均評価
(5)
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ブクレポ
1件

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庄野雄治 OFF

目次

A‐side ささやかだけれど、役に立つコーヒーのこと(コーヒー豆は実は豆ではないのです/おいしいコーヒーを淹れる小さなコツ/コーヒー豆はぜひ豆で/無限に広がるコーヒーの香味/焙煎加減で香味は変わります ほか)/B‐side アアルトコーヒーの日々(アアルトコーヒーができるまで/店を持つということ/ロースターとして目指す場所/ひとりでお店をやるということ 対談・中川ちえ×庄野雄治/アアルトは魔法の言葉 ほか)

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: あきらパパ 投稿日:2015/04/03

コーヒーなんてこんなに適当でいいんだよ

徳島で「アアルトコーヒー」というコーヒー焙煎店を営む著者・庄野雄治さんの“レコード”、否、エッセイ。“レコード”とレポしそうになったのは、2部構成が、目次で、A‐side、B‐sideとなっているから。レコードを聞き終わった後、針が「もうオシマイ」とスクラッチノイズを奏でてくる余韻を感じさせる本でした。


庄野さんは、大学卒業後、地元徳島の旅行会社に10年勤めた後、コーヒー好きが高じてコーヒーロースターになった異色の方です。
31歳の時に結婚され、35歳の時に焙煎機を購入して会社勤めをしながらコーヒー焙煎を始めます。その後、娘さんが生まれる10日前に会社に退職願を出し、不退転の覚悟でひたすらコーヒーローストにいそしみます。しかし、なかなか自分が思う味が出せない日々が続きます。そうした中、2人目の子供を授かります。これを機に本格的に店舗の物件を探し始めます。手ごろな物件を見つけ、即契約、内装工事に入りますが、この時点に至っても商売になるようなコーヒー焙煎ができていなかったそうです。それにもかかわらずオープンの日を決めてしまいます。教えを乞うていた師匠からも「オープン日を延ばしたら?」と言われる始末。さすがにこれは本当にまずいと思い、死に物狂いで焙煎に励んだそうです。1ヶ月で体重が10キロ落ちたそうです。そして、オープンのわずか4日前に師匠から合格が出たとのこと。
2006年2月3日、アアルトコーヒー店は開店しました。庄野さん36歳の時だそうです。


A‐sideは、「ささやかだけれど、役に立つコーヒーのこと」。
コーヒーのことを知らない方にも分かるように、コーヒーのあれこれを語ってくれています。
コーヒー豆は実は豆ではないことや、コーヒーの購入、香味、挽き方、淹れ方、淹れるための道具選びなど。それぞれ2、3頁で難しい話は抜きに教えてくれています。
これからの夏に向けては、キリリとしたアイスコーヒーが飲みたくなるものですが、そんな時に簡単に作れる水出しコーヒーの作り方は、とても参考になります。せっかくなので、紹介しちゃいましょう。いいですよね、庄野さん。
1 深焙りのコーヒー豆を細かく挽く。
2 密封できる容器(麦茶を作るような容器でもよい)に粉を入れ、その上から水を注ぎ(30グラムくらいの豆に水500mlが飲みやすい)、フタをしっかりと閉める。
3 それを冷蔵庫に入れ6~8時間ほど冷やす。
4 時間がきたらペーペーフィルターで濾す。
水で長時間かけて抽出することにより、苦みの少ないやわらかく甘いアイスコーヒーができあがるとのこと。すっきりとしたのど越しなので、ゴクゴクといけるそうです。(本書60頁)


B‐sideは、「アアルトコーヒーの日々」。
アアルトコーヒー店が開店するまでのことや、庄野さんが焙煎家として大事にしていることなどが綴られています。
なかなか自分の焙煎ができなかった中で思ったことは、覚悟を決める、ということ。「覚悟のないものには光は見えないものだ。」(本書73頁)とのことですが、結婚して、子供も生まれ、歳も30代半ばとなった時に勤めていた会社を辞め、いくらコーヒーが好きだからと言って焙煎家になろうとは、相当の覚悟だったと思います。そうそう真似できる、真似するものではないでしょう。いや、真似しないほうがいいでしょう(笑)。
庄野さんがモットーにしていることは、「よい生豆を適切に焙煎して、新鮮なうちに適正価格で販売する」(本書78頁)、ということ。大上段に構えることなく、至極当たり前のことを大切にされている方なのだと感じました。

「コーヒー焙煎を生業にするものにとっての醍醐味は、オリジナルブレンドを作ることだろう」(本書103頁)、と庄野さんは言います。「ストレートの焙煎とは、豆が持っている最良の姿を出せるようにお手伝いすることであり、いくらそのコーヒーがおいしくても、それはその豆が元来持っている力なのである。一方、ブレンドは、ロースターが持っている感性をすべてつぎ込み作るものだ。だから、初めてのコーヒー豆屋では、まずその店のメインブレンドを選ぶことをお勧めしたい。そこにはきっと店主の想いが一番込められているから。」(本書104頁、17頁)、と。
スペシャルティーコーヒー流行りにハマってしまっている自分(私・あきらパパ)が、ちょっと恥ずかしい気持ちになりました。


アアルトコーヒーの焙煎所は、庄野さんのおじいさんの住まいの庭にある倉庫を間借りさせてもらっているそうです。その倉庫は、家の隣にある畑の仕事をするための道具や機材を置くために建てられたものなので、冷暖房の設備はないとのこと。だから、冬の寒い日は、体の芯から冷えた中で焙煎し、夏はゆうに40度を超える中で焙煎しているそうです。
そんな快適とは言い難い焙煎所ですが、庄野さんは、冷暖房設備を入れる気はない、と言います。「安定したコーヒー豆を作りたいわけではない。四季がある日本で生まれて日本で育ったからこそ、四季を愛でながら、季節に愛でられるコーヒー豆を作りたいと思っている。」(本書118頁)、とのこと。


おいしいコーヒーって、そういうふうに焙煎されて作られたコーヒーなのかもしれない、と目から鱗が落ちる思いにさせられました。
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