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本 カナダはなぜイラク戦争に参戦しなかったのか

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本-カナダはなぜイラク戦争に参戦しなかったのか
著者: 吉田健正 (著)
定価 ¥2,052(税込)
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商品情報

出版社名
高文研
発行年月
2005年 07月
ISBNコード
9784874983447
版型
--
ページ数
270P
平均評価
(5)
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ブクレポ
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吉田健正 OFF

内容紹介

イラク戦争に派兵せず、米国主導のミサイル防衛にも参加しない―多国間協調主義を掲げるカナダの外交戦略。
建国以来、自立路線を追求してきたカナダ外交の歴史から学ぶ、超大国アメリカとの「つきあい方」!2004/05カナダ首相出版賞審査員特別賞受賞作品。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

目次

第1章 カナダは参戦せず/第2章 「反米」の歴史とカナディアン・アイデンティティ/第3章 カナダと米国の関係―経済と軍事/第4章 カナダの多国間協調主義/第5章 反米と親米の間でゆれるカナダの宿命/第6章 カナダの外交・防衛政策の基本戦略

著者情報

吉田 健正
1941年沖縄県糸満市で生まれる。ミズーリ大学および同大学院でジャーナリズムを専攻。沖縄タイムス、AP通信社(東京支局)、Newsweek(同)の記者、在日カナダ大使館勤務をへて、1989年から桜美林大学国際学部教員。『カナダはなぜイラク戦争に参戦しなかったのか』で、「2004/2005年度カナダ首相出版賞」を受賞した

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: sasha 投稿日:2017/09/27

喧嘩をしても仲良しでいられる

アメリカ・トランプ大統領が難民の一時受け入れを制限する
大統領令にサインした時、カナダ・トルドー首相は「信仰に
関係なく、迫害やテロ、戦争から逃れた人をカナダは歓迎する。
多様性はわが国の強みだ」とTwitterで呟いた。

アメリカと約9000kmの国境を接するカナダは、アメリカの弟分
と思われることが多い。だが、アメリカの言うことに何でも追随
するのではない。

現在のトルドー首相もトランプ大統領のアメリカには批判的だが、
カナダはそれ以前にも「アメリカの大義」に従わなかったことが
ある。そのいい例が本書で取り上げているイラク戦争だ。

9.11アメリカ同時多発テロ後、カナダも子ブッシュのアメリカが
掲げた「テロとの闘い」には賛同した。アフガニスタン戦争には
軍も派遣した。しかし、それに続くイラク戦争には参戦をしてい
ない。

アメリカとイギリスが主張した、イラクの大量破壊兵器保有に対し
てカナダは懐疑的だった。国連査察の結果を待て。それがカナダ
の反応だった。

イラクがアルカイダを支援しているとの証拠もなく、大量破壊兵器
保有の事実も証明されなかった。サダム・フセインを力で排除する
ことが真に正しいことなのか。国連主導で国連軍で動くのならいい
が、有志連合でイラクを攻撃するには理由はない。

正論だと思う。勿論、カナダ国内でもイラク戦争賛成派はいた。アメ
リカに反旗を翻したのなら、後々、アメリカに報復される…と。

分からぬでもない。軍事でも経済でも、アメリカが最大のパートナー
であるカナダにとってアメリカからの報復は大打撃だろう。しかし、
それでもカナダは不参戦を選んだ。

「アメリカ様がおっしゃるなら、その通り」なんてことはしない。
それはひとえにカナダが国連憲章を重視し、多国間協調の外交を
展開しているからだ。

見事だと思った。自国の利益を考えて多国間での調和を図るか、
多国間の調和を考えながら自国の利益を守るか。似ているようで
違うのだよね。カナダは後者なのだろう。

アメリカが批准していない条約を批准し、人権と自由を尊重する。
勿論、カナダの歴史の中でも差別はあった。第二次大戦中の日系人
の強制収容や、イヌイットに対する差別だ。

日系人に対しては謝罪と補償をし、先住民の権利を保護する法律も
ある。現在のトルドー首相が言うように、多様な文化を認め、誰も
が人間の尊厳を認められる。

理想主義と言えばそうなのかもしれない。でも、そんな国があって
もいいんじゃないかと思う。だって、カナダが自分の言うことを聞
かなくてもアメリカは報復しようとはしなかったのだから。

本書はカナダとアメリカの独立の過程の違いから、カナダ歴代首相
とアメリカ大統領との丁々発止のエピソードもあり、非常に近い
両国であるのに相違点が覆うことを分かりやすく解説している。

2005年の発行なので、軍事費や貿易などのデータは少々古いが、
カナダが世界の中で占めている地位が理解しやすい。

日本は…見習ってほしいけど、ダメだろうな。アメリカ様様だも
のね。それに、カナダは「アメリカの弟分」だけど、日本は属国
だから。

余談だが、カナダ人は優しいんだよな。まったく英語が出来ないのに、
プライベートでの初めての海外旅行はカナダだった。何を聞かれて
いるかは分かるのに、英語でどう答えていいか分からない。そんな
時もカナダ人は絵を描いて教えてくれたり、どうしたら私が理解
できるかを一生懸命考えてくれた。

バンクーバーの空港のバスのカウンターのおばちゃんは、私が乗る
べきバスの乗り場まで腕を引っ張って連れて行ってくれたっけ。
感謝、感謝である。
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