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本 月のぶどう

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本-月のぶどう
著者: 寺地はるな (著)
定価 ¥1,620(税込)
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商品情報

出版社名
ポプラ社
発行年月
2017年 01月
ISBNコード
9784591153345
版型
127×188mm
ページ数
317P
平均評価
(4)
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ブクレポ
1件

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寺地はるな OFF

内容紹介

二十六歳になっても逃げることばかり考えている歩。
突然の母の死をきっかけに、双子の姉・光実とともに実家のワイナリーを継ぐ決意をするが…。
やさしい涙がこみあげる感動の物語。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: まーち 投稿日:2017/03/01

ワイナリーの仕事とともに描かれる、双子の姉弟の成長物語

26歳の双子の姉弟である、天瀬光実(みつみ)と歩(あゆむ)の母親が急死する。彼女たちの母親は、ワイナリーの経営者だった。
姉の光実は、優秀で完璧な母親にあこがれ、ワイナリーの仕事に従事していたが、弟の歩は、人生から逃げるように、ふらふらとした生活を送っていた。
子どもの頃から、光実は優秀で、歩は、常に、「出来の悪い方」と言われ続けてきたのである。


目標としていた母親を突然喪い、傷心の光実だったが、弟のことを考え、彼に、ワイナリーの仕事をやらせてみようとしたのである。
ワインが好きなわけではなく、年下の従業員からも見下され、仕事は重労働だしで、いつまで続くことやらと思われた歩だったが、地味にコツコツと勉強を重ねていくのだった。


一方、光実は、同級生の広田に恋心を抱きながらも、その方面に関しては全く不器用で、どうしたらいいのかわからず、もがいているような感じだった。
そんな彼女は、まるで、「ウサギとカメ」のうさぎのように、どんくさいと思っていた弟が、いつのまにやら、人間的にもワインに関しても成長をとげ、自分を追い越していたことに驚く。
優秀であるがために、何でも自分で抱え込み、自分で何とかしようとし、失敗する姿を人に見られたくないという性格が災いし、自分を縛り付けていることを指摘される光実。
そして彼女は、なんでも完璧にこなしているように見えていた母親が、実は陰で、必死に努力していたということを知るのだった。


この作品、読んでいくほどに面白くなっていった。
姉弟それぞれが、コンプレックスを抱えていたのだが、ワイン造りを通した、お互いの成長によって、心が解きほぐされていく様子が、実に見事に描かれていた。
コンプレックスを抱えていたのは二人だけではなく、彼女たちの叔母も、優秀な姉に対して、劣等感を抱いていたし、彼女たちの父親も、婿養子であり、会計事務所に勤めていた人物なので、ワイナリーの従業員などからは、相手にされていなかった。
さらに、姉弟の同級生や知人たちも、外からはわからない、それぞれのコンプレックスを抱えていた。
しかし、みな、自分なりの方法や進む道を探し出し、それを乗り越えていくのだった。


この作品を読んで、ワイン造りというのは、こんなに手間がかかっているということを始めて知った。
私は、ワインというのは、ぶどう農家が育てたぶどうを、ワイナリーが買い取って造っているのかと思っていたのだが、ワイナリーというのは、ぶどうも自分たちで育てていると知り、びっくりした。
だから、ワイナリーの仕事というのは、大半がぶどうの栽培なのである。
その、ぶどう栽培から、収穫されたぶどうが、ワインになるまでが、とても丁寧に描かれている。
しかも、毎年、同じ作業の繰り返しになるところを、年ごとに、違う作業の工程を描くことで、重複が避けられているのもうまいと思った。
一番驚いたのは、醸造中の赤ワインの樽に、卵の白身を入れるということだった。
卵白には、アルブミンをいうたんぱく質が含まれていて、それが赤ワインの渋みの成分であるタンニンと結合し、澱となって樽の底に沈み、二か月ほど待ってから澱引きをおこなうことで、美しくルビー色に澄んだワインができあがるそうである。


そして、忘れてはいけないのが、二人の祖父の存在である。
いたずら好きの祖父なのだが、最後の言葉にはグッとくる。


ぶつかり合うこともありながら、ワイン造りを通して、成長する姉弟の姿を丁寧に描いた、とても素晴らしい作品だった。


二人が幼い頃、忙しくて、全然かまってくれなかった母親が、たった一度だけ、寝る前に聞かせてくれたお話が素敵である。


『二匹の蝶はひらりひらりと月まで飛んでいって、葡萄の木を植えました。そこで育てた葡萄でワインをつくりました』


月の葡萄で造ったワインは、どんな味がするのだろうか。
母の想いは、二人に伝わったようである。
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