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本 チリンのすず

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本-チリンのすず
著者: やなせたかし (著)
定価 ¥950(税込)
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商品情報

出版社名
フレーベル館
シリーズ名
フレーベルのえほん 27
発行年月
1978年 10月
ISBNコード
9784577003275
版型
--
ページ数
31P
平均評価
(5)
: 3件
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: 0件
ブクレポ
5件

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やなせたかし OFF

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: Tucker 投稿日:2014/01/18

チリンの鈴で思い出す

「アンパンマン」の作者、やなせ・たかし氏による絵本。
同氏の「わたしが正義について語るなら」(ポプラ新書)の中で、本書の事が語られて(ほぼネタバレだが)いたので、気になり、実際に読んでみたくなった。

主人公は子羊のチリン。
母親と平和に暮らしていたが、ある夜、牧場が狼のウォーに襲われ、チリン以外は全員、死んでしまう。
生き残ったチリンは、ウォーの下に行き、こんな事を言い始めた。
「僕もあなたのような強い狼になりたい。僕をあなたの弟子にして下さい。」

羊が狼になれるわけはないが、チリンには狙いがあった。
「ウォーより強くなって、母親の仇を討つ」
という狙いが・・・。

子供向けの絵本ではあるが、単純な勧善懲悪モノではない。

「悪人(狼)」であっても、暖かい心もあるし、「正義」と「悪」が逆転する事もある。
単純に分ける事などできない、といった内容。

子供向けとは思えない程、重いテーマを扱っている。

初期のウルトラシリーズで、時々、ビックリする程、重いテーマを扱っていた、という事を思い出させる。
作り手側は「今は分からなくてもいいから、こういう問題がある、という事を見せておきたい」という想いから、そのようなエピソードを作ったらしい。

本書も同じような想いから作られたのだろう。

奥付を見ると、初版が1978年に出版され、25刷を重ねている。
作者の想いが伝わったかは、この事実だけで明確だろう。

ところで、考えすぎかもしれないが、本書のストーリーの構成で気が付いた事が一つ。
本書の冒頭
「チリンの鈴で思い出す。
やさしいまつげを
微笑を
チリンの鈴で思い出す。
この世の寂しさ また悲しみ」
とある。
(これだけでも、その内容に「本当に子供向け!?」と思ってしまった。)

最後まで読むと、ラストに出てくる「鈴の音」が、この冒頭の「チリンの鈴」と繋がっている事に気が付く。
おそらく本書はラストシーンから始まる物語なのだろう。

ニックネーム: ふたん 投稿日:2012/04/18

復讐劇の後に見たものは・・・

ニックネーム: hi2515 投稿日:2012/03/16

復讐の恐さ

ニックネーム: Aoki 投稿日:2012/02/29

実社会の厳しさをしっかりと受け止めて...。

著者である、やなせたかしさんご自身も「子どもの絵本としては相当インパクトの強いお話です。僕としては、子どもが現実の社会に出て行った時に出会う厳しさを思う時、こんな絵本も読んだ方がいいのではないかと思ったのです。甘さがなく、僕の作品の中では大変珍しいものです。」と書かれているくらいに、子どもにも,大人にも結構なインパクトで迫り、それぞれの立場で深く考えさせられる作品だと思います。

狼のウォーに母親を殺された子羊のチリンは、復讐のため強くなることを決意し、牧場を出て、復讐相手であるウォーのもとへ行く。チリンはウォーのように強くなることを願い、ウォーに特訓を求める。何故に復讐相手であるウォーのもとへ行ったのか、何故に復讐に燃えるチリンの願いをウォーは受け入れたのか。そこを洞察する力は残念ながら私は持ち合わせていないが、ウォーはチリンを森の中でも恐れられるほどの獣へと育て上げる。

長い年月を共に過ごしても相容れない同士であることには変わりない。けれど情というものは相容れない同士でも生まれるものだ。ウォーはどんな思いなのか、チリンはまだ復讐することを諦めていないのか、これからどうするのか。ここまでくると、読み手の気持ちが揺らぎ始める。「ここまで育ててくれたのだ、復讐なんてもうしなくていいんじゃないのかい?」って...。しかし、現実はそう甘くない。
憎しみが信頼へと変化していく中で、憎しみを否定すれば、母親の死も、群れを捨てこれまで自分がやってきたことも否定することになるのだから。

結末は是非,自分の目で確かめて頂きたい。私も上手く説明できないが、いろんな思いが絡み合い,熱いものが込み上げてくる。

何かを失い何かを得るために,何かを犠牲にしなければならない。犠牲にしたものに再び帰依することなどできない。そんな実社会の厳しさをしっかりと受け止めていかねばなるまい。悲しく苦しいことだが...。

ニックネーム: ランピアン 投稿日:2012/01/07

交わらぬ二つの「世界」

昨年のテレビ界を席巻したドラマ『家政婦のミタ』。確かに面白かった。だがよく考えればこのドラマ、危機に瀕した共同体(町、村、家族等々)を外部からやってきた「異人」が救うという、かなり古典的な物語なのである。従って、脚本家がラストで主人公を自らが救った家族のもとから立去らせたのは正解だった。このパターンの物語では、異人は必ず共同体から去ってゆかねばならない。それは物語の重要なポイントが、「救う側と救われる側とが全く違う世界の住人」だという点にあるからだ。

これは、『ミタ』と同型の物語である西部劇映画『シェーン』を考えればわかりやすい。牧畜業者と殺し屋の暴力に脅かされている農民一家を、その隣人たちは(銃も持っていながら)団結して守ることができない。結局、一家を救ったのは流れ者の拳銃遣いであるシェーンだったのだが、彼にそれが可能だったのは、この男が一家とはまるで違う世界に棲む「異人」、いざとなれば平然と人を殺せるという点では、むしろ彼の敵となる牧畜業者や殺し屋と同じ世界の人間だったからである。有名なラストシーンで、彼が家族の一員になってほしいという少年の願いを退けて去ってゆくのは、自分が平和と勤労を重んじるこの家族とは全く異なる世界の住人であることを知っていたからに他ならない。『ミタ』も、ある悲劇によって崩壊の危機にある家族が、それを遥かに上回る哀しみの世界に棲む女によって救済される物語であった。

もう30年以上も前のこと、キャラクター産業の雄サンリオが映画製作に乗り出したことがある。その初期に製作された「親子ねずみの不思議な旅」なる作品を、当時まだ幼かった弟を連れて観に行ったことがあった。その併映作品、いわゆる添え物として上映されたのが、本作を原作とするアニメ「チリンの鈴」だったのだが、全く期待しないで観たこの小品の印象は圧倒的で、幼児向けとは思えないその悲壮な結末に、周囲の子連れの母親たちが皆涙を流していたのを、今でも鮮明に憶えている。おかげで本命だった筈の「親子ねずみ-」の内容は、全く記憶にない。

愛する母を狼に殺され、復讐のため狼に匹敵する強さを得ようとする子羊チリンの物語である本作のテーマは、私が先に述べた「交わらぬ二つの世界」である。絶対的な強さを得るためには、自らが属する世界を捨て、全く別の世界の住人になるしかないという悲劇の構造を、やなせたかしは本作で見事に物語化している。因みに、アニメと原作とは同一の筋立てながら、双方のニュアンスは微妙に異なっている。私はアニメの方に軍配を挙げたいが、DVDを観ようとする奇特な人も少ないと思われるため、原作を推しておきたい。

なお、勝手な想像だが、本作のヒントとなったのは黒澤明の『七人の侍』ではないかという気がしている。やなせが好きな映画として挙げていた記憶があること、そしてあの侍たち七人の中には確かに、「狼」になろうとする「羊」が一匹混じっていたからである。
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