pagetop

本 ある小馬裁判の記

ほしい!に追加 twitter
本-ある小馬裁判の記
著者: ジェイムズ・オールドリッジ (著)
中村妙子 (訳)
定価 ¥2,160(税込)
BOOKFANポイント: 100 pt
or
Tポイント: 60 pt (Yahoo!ウォレット決済利用時)

商品情報

出版社名
評論社
シリーズ名
児童図書館・文学の部屋
発行年月
1979年
ISBNコード
9784566011458
版型
--
ページ数
267P
平均評価
(5)
: 1件
: 0件
: 0件
: 0件
: 0件
ブクレポ
1件

新刊お知らせ登録一覧へ »

ジェイムズ・オールドリッジ OFF
中村妙子 OFF

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: ムーミン2号 投稿日:2014/08/02

小馬のきまぐれ

ジェイムズ・オールドリッチという作者の手による児童文学、とされているが、勧善懲悪でもなければ夢見る楽しいお話などでもない、動物物語でもない、かといって法廷物でもないのだ。


構図は明快。
ある小馬をめぐって、それが貧しい移民の子・スコティーの小馬であるのか、それとも裕福な家の娘・ジョジーのものであるのか、というもの。
作者は境遇の違いを別な手法でなるべく平らにしている。
スコティーが暮らすのは町から5マイルと言うから、約8キロほど離れた開拓地で、スコティーはこの小馬(=タフと名付ける)をいわば足代わりに学校に通ったりする。
ある時、このタフがいなくなってしまう。逃げてしまったかどうかまでは分からない。
一方のジョジーは小児麻痺に罹り、腰から下の自由を奪われ、車椅子生活を余儀なくされるが、彼女には町一番の富裕者である父親が手をつくし、野生と見られる小馬を連れてきて、特製の馬車に仕立てるので、彼女は新たな足を得たように走り回ることができるようになる。ボーと名付けられた馬車をひく小馬は、気まぐれで大人しくはなく、荒々しい。
タフがいなくなってしばらくしてジョジーにボーが与えられ、という経過をたどるのだが、スコティーはジョジーを乗せて走るボーを見てすぐにそれがタフだと確信する。
その後、今度はボーが消えてしまう。二人とも自分の脚の代わりにもなった小馬がいなくなり、またこのあとの裁判を通じて老若男女、いろんな目にさらされ、お互いの苦しかったり寂しかったりという気持ちは分かりあうことはできる。
ただ、二人には決定的な違いがあった。簡単に言えば貧富の差だ。


ボーがいなくなると、ジョジーの父親はすぐにスコティーを疑い、警察に連絡して、警察もすぐにスコティーのところへ走る。そして証拠不十分ながら、裁判でスコティーが盗んだことにしようとする。
これに憤ったのは語り手の父である弁護士だ。
何の証拠もないのに、しかも警察はタフがいなくなった時はおざなりな対応しかしていないのに、ボーがいなくなって連絡があった時はすぐにスコティーの家に駆けつけているという、平等性を欠く行為を指摘し、裁判の方向が間違っていると別の訴訟に向けさせる。つまり、犯人探しではなく、タフかボーかはわからない当該の小馬が、タフなのかボーなのかを明確にさせようとするものだ。
ところが、この小馬、だれもそれがタフであるともボーであるとも科学的な証明ができないことが明らかになる。
そして最終判定は当該の小馬に委ねられることになる。競技場で両端でそれぞれ呼ぶ、スコティーとジョジーのどちらに行くか、というものだ。


結局この小馬はタフでありボーであったのだが、この後、境遇の全く違う二人が対面する場面がこの物語の白眉であり、作者の主張であろう。
スコティーのところへ、ジョジーと父親がトラックでやってくるが、自分のものとなった小馬を金と力でまた奪いにきたか、と逃げようとするスコティーを「逃げちゃいけない、立ち向かわなきゃいけないんだよ」と叱咤するのはスコティーの友人であるキット(=この物語の作者ということになっている)である。つまり、富と権威から逃げ出したら、自分の権利を守るために立ち上がる勇気は永久に失われる(p.256)と伝えたのだ。
そしてジョジー。望むものは何でも手に入る境遇にいながら、必ずしもそんな人生にはならないことを学ばなければならなかった。


そういった少年・少女の心の成長を、後ろを向いてヒヒヒと皮肉っぽく笑っているのは、他でもないこの物語の中心にいた、気まぐれな小馬のタフ兼ボーであろう。


訳者のあとがきで触れられているが、この物語の原文は子ども用にとやさしくしてなんかいないそうだ。それを汲んで、訳も一切遠慮も会釈もない。この言葉は10代前半には難しいだろう、なんて言葉も次々と出てくる。
前半はなんとなく読みづらく、なかなかページも進まないのだが、裁判が始まる途端に時の経つのも忘れて最後まで読んでしまった(土曜日ということもあったのだが)。


結局、タフがどうしてスコティーのところからいなくなったのか、ボー(=タフ)を奪ったのはどうやらスコティーらいしいのだが、どうやって連れ出したのか、などは不明のままだ。それでいいのだと思う。
うれしい全品送料無料♪全商品5%ポイント還元!<a href="index.php?module=ecrlist&action=plist&it=BK"target="_parent">▼新刊・予約はコチラ!</a>
ご注意!ラッピング、お届け日の指定は承れません!
大量一括注文窓口はこちら!
出版社共同企画!もれなく100ptプレゼント!
BOOKFANのツイッターをフォローする♪
BOOKFANキャラクター大集合!LINEクリエイターズスタンプ配信中☆
最高3,000円分ギフト券プレゼント中!お買い物時にご利用ください!
特集一覧へ
ブクポン
アンケートに答えてポイントゲット!
アンケート一覧へ