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本 カモメに飛ぶことを教えた猫

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本-カモメに飛ぶことを教えた猫
著者: ルイス・セプルベダ (著)
河野万里子 (訳)
定価 ¥864(税込)
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商品情報

出版社名
白水社
シリーズ名
白水Uブックス 151 海外小説の誘惑
発行年月
2005年 11月
ISBNコード
9784560071519
版型
--
ページ数
174P
平均評価
(5)
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ブクレポ
1件

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ルイス・セプルベダ OFF
河野万里子 OFF

内容紹介

銀色のつばさのカモメ、ケンガーは、ハンブルクのとあるバルコニーに墜落する。
そこには一匹の黒い猫がいた。
名前はゾルバ。
瀕死のカメモは、これから産み落とす卵をこの猫に託すことになる。
が、その前に三つの厳粛な誓いをゾルバに立てさせるのだった。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

著者情報

ルイス・セプルベダ
1949年、南米のチリに生まれる。アジェンデ政権がクーデタによって倒れた際に、投獄され、およそ二年半の刑務所暮らしを余儀なくされる。その後アムネスティの働きかけで解放されたあとは、各地を旅してまわり、1980年からはドイツのハンブルクを拠点に、作家活動をはじめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: ムーミン2号 投稿日:2014/06/11

港の猫に二言なし

ユーモアに溢れ、ちょっぴり人間への皮肉もこもった作品。とっても面白い!


カモメのケンガー(メス)はエサのニシンを獲ってる最中に、人間がタンカーを洗浄して海に流した重油に呑まれ、なんとか飛び上がったものの体力尽き果て、落ちた先は黒猫のゾルバが安穏と暮らすハンブルク市内、港にほど近い家のバルコニーの上だった。
ケンガーはゾルバに3つのことを誓ってもらう。
1つ ケンガーが産む卵は食べない
2つ ひなが生まれるまでその卵の面倒をみる
3つ ひなに飛ぶことを教えてやる
瀕死のカモメを前に、港の猫・ゾルバはその3つを固く約束し、カモメを助ける手段を聞きにいくべく長老の<大佐>を訪ねて行く。<大佐>とその<秘書>にも手に余るため、百科事典と暮らす<博士>に相談に行く。しかし、四匹がそろってカモメの元に戻った時は既に手遅れだった。
と、そこに1個の青い斑点の卵があった! 港の猫・ゾルバは約束を違えない。それから何日も卵を抱き、ついに1羽のカモメの赤ちゃんが誕生する。誕生する途端に、赤ちゃんはゾルバを「ママ」と呼び、「お腹すいた」を連発する。


さあ、これで2つまでの約束は果たせた。あと一つ。飛ぶことを教えなくてはならない。
<博士>は早くから百科事典を引きまくり、ついに「レ」の項で≪レオナルド・ダ・ヴィンチ≫を見つけ、飛行のからくりを習得。
そして四匹の猫に<向かい風>というこれまたいくつかの海をまたにかけた港の猫を加えた五匹で、まずはカモメの赤ちゃんのオス・メスを判定し、<フォルトゥナータ>という名を授ける。幸せな者 という意味だ。
何度かゾルバはフォルトゥナータが野生ネコやネズミに襲われるのを助ける。「ママ、つよい!」 港の猫は約束を守るのだ。飛ぶことを教えるまでは、オレが守る。頼もしいママだ。


しかし、飛行訓練は何度も失敗する。ついに17度目の失敗を迎え、フォルトゥナータが悔しくも悲しい涙を流した時、ゾルバは<大佐>にタブーを破る許可を求める。猫たちのタブーとは……人間の言葉で話す、それがタブー。


港の猫の誇りにかけて、一羽のカモメが飛べるようにしなければならない。それにはタブーを破ることも止むを得まい。ゾルバを除いた四匹の検討結果はそうなった。しかし、誰に聞きに行くか、が問題だ。適当な人物が思い浮かばないが、港の猫の憧れの的・ブブリーナのところにいる人間に頼もう! と衆議一決。代表してゾルバが交渉に出かけた。
彼(=詩人だった)は、猫がしゃべるのをビックリしながらもその能力を認め、話をするなら人間同士の話し合いの作法に従ってほしい、と提案してきた。ソファに座り、ゾルバにミルクを出しての話し合い。今までのいきさつを全部聞いて、彼は協力しようと言ってくれた。


そしてついに、フォルトゥナータは飛んだ! 喜びを分かち合う詩人とゾルバ。
ゾルバは言う。最後の最後にフォルトゥナータは一番大切なことがわかった、と。それは、(飛ぶことができるのは)心の底からそうしたいと願ったものが、全力で挑戦したときだけだ、ということ。


猫に育てられたフォルトゥナータは自身のアイデンティティーを失いかける時があった。私は猫と思って暮らしてきたけど、カモメだし、ゾルバはそのうち太った私を食べるんじゃないかしら? <博士>のところに住むマチアスというサルに唆されてそんなことを思ったのだが、その時、ゾルバはそれを真っ向から否定するのが何ともカッコイイ。
「でもほんとうは、きみは猫じゃない。きみはぼくたちとは違っていて、だからこそぼくたちはきみを愛している。ぼくたちはきみをカモメとして愛しているんだよ。きみのおかげでぼくたちは、自分とは違っている者を認め、尊重し、愛することを、知ったんだ。飛ぶことができたときこそ、きっときみはほんとうに幸せになれる。そうしてぼくたちに対するきみの気持ちも、きみに対するぼくたちの気持も、今よりもっと強く、かけがえのないものになるはずだ。だってそれは、まったく異なる者どうしの愛だから」(p.122-123)


このゾルバの言葉以上に、何も付け足す必要はないのだが、最後に思わず笑っちゃった一文を紹介しよう。人間の言葉を話すことがタブーとなっている理由を説明する部分だ(p.138-139)。
「(タブーが存しているのは)人間とコミュニケーションすることに興味がないからではない。人間がどう反応するかに危険を感じているからだ。たとえばあのイルカの、哀れな運命はどうだろう。人間に対しても、知的であるところを見せてしまったばかりに、水族館で道化のようなショーをやらされてる。ほかにも、知性と順応性を見せてしまったばかりに、人間に屈辱を味わわされている動物はたくさんいる。」
つい一月ほど前に、水族館でイルカのショーを見たばかりだった。
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