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本 プリズム

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本-プリズム
著者: 貫井徳郎 (著)
定価 ¥756(税込)
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商品情報

出版社名
東京創元社
シリーズ名
創元推理文庫
発行年月
2003年 01月
ISBNコード
9784488425029
版型
--
ページ数
295P
平均評価
(4)
: 0件
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ブクレポ
2件

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貫井徳郎 OFF

内容紹介

小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。
傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。
事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。
ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。
彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが…『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

著者情報

貫井 徳郎
1968年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。’93年鮎川哲也賞に応募した『慟哭』でデビュー

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: darkly 投稿日:2017/07/17

あとがきも含めて一つの作品

貫井さんの代表作というと時系列に「慟哭」→「プリズム」→「愚行録」らしいですが、たまたま私が読む順番が「愚行録」→「プリズム」となっており、「慟哭」まで読むことになるだろうと思っています。

それはさておき、事件としては、小学校教師が自宅で死体となって発見されました。アンティーク時計が頭に当たり死亡したわけですが、上から落ちて当たったのか、殴られたのか分かりません。胃の中と食べかけのチョコレートからは睡眠薬が検出されます。そして窓ガラスが切られて鍵が開けられてました。


ここから、被害者の関係者(生徒、同僚、元カレ、不倫相手など)の推理が始まります。私はそれほどミステリーファンでもなく、ミステリーについての知識もあまりありませんが、イメージでは、事件が起こり、被害者や容疑者等の「人物像」が明らかとなり、(名探偵がなにかが)推理をし、徐々に「事実」が明らかとなることにより、論理的に犯人が判明していくというのが一般的だと思っています。


では、現実の世界で、「人物像」って簡単に明らかになるのでしょうか?自分のよく知っている人で「その人はこういう人だ」と思っている人のことを、他の人が全く違う印象をもっているということはよくあることだろうと思います。


人間のように複雑なものを他人が簡単に定義付けるのはほぼ不可能だろうと思います。実社会でもサラリーマンとして偉くなった人が、よく「私は何の能力もないが、人を見る目だけはあるんだよ」的なことを言いますが、思い上がりも甚だしいとしか思えません。


話が逸れましたが、先ほど徐々に「事実」が明らかとなり事件は解決に向かうと書きましたが、「事実」が明らかにならなければならないほど、推論の幅は広がっていきます。


「事実」が少なければ、推論は「人物像」という主観に限りなく影響される。「人物像」が人によって違うということになれば自ずといくつもの推論が出てきます。


このようにこの作品は、通常のミステリのシークエンスを逆手に取り、論理が収束していくのではなく、拡散していくというところに最大の特徴があると思います。


京極夏彦の京極堂シリーズもある意味同じです。主観、思い込み、心理を巧みに使って登場人物に幻視を見させる。モチーフに妖怪を使うところが新しかったです。


そして、最後の推論では、驚きの推論が披露されます。


一般的なミステリのイメージを持って読むと、ちょっとすっきりしないと感じましたが、あとがきによって、ミステリー文学論や作者の意図が明かされます。そこまで読むと何か納得できました。本格的なミステリーファンの方に評価される作品かもしれません。

ニックネーム: michi 投稿日:2011/03/26

■内容■ 小学校の女性教師…

■内容■

小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。
傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。
事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。

ガラス切りを使って外された窓の鍵、
睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。
彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、
事件は容易に解決を迎えるかと思われたが…
(「BOOK」データベースより)


■感想■

本好きの同僚が貸してくれたお勧め本。
期待以上に面白かったです。

被害者にかかわっていた4人の語り手が
其々の視点で事件を見つめ
自分の気持ちに折り合いをつけていく。。。
其々の事なる周波数で事件を読み取り
結論の方向までも異なっていく流れです。
どこまでも推論、これが面白いなと思いました。
かなり自信たっぷりな謎解きの直後に
その結論がアッサリと崩されていくのが
面白いんですよ~~。

断片的な情報と主観、
どの場面でも語り手達はこの二つを頼りに
真相に迫ろうとしています。
そのうち、これが全ての情報であり
事件の全容なのだという考えに変わってくるんですね。
ネガティブなキッカケから始まり
個人的にスッキリとする4人、そこに
被害者の死を悼むという気持ちはあまり感じられず
間接的に被害者・山浦美津子の人間性が
垣間見えたようでした。

美津子は
子供の気持ちを理解する善き教育者であり、
男を翻弄する悪女であり、
他意のない無邪気な少女のような女でもある。
私としては嫌いなキャラですが、だからこそ面白く、
美津子を分析することで
実は、語り手達も多面的なのだとわかったりします。
タイトル通りまさに、プリズムでした!

同僚は、直観てきなあてずっぽうで
本書を選んだとのこと。
見事な掘り出し物でした!
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