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本 騎士団長殺し 第2部

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本-騎士団長殺し 第2部
著者: 村上春樹 (著)
定価 ¥1,944(税込)
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商品情報

出版社名
新潮社
発行年月
2017年 02月
ISBNコード
9784103534334
版型
--
ページ数
541P
平均評価
(3.5)
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ブクレポ
2件

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村上春樹 OFF

内容紹介

その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。
夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。
騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: まーち 投稿日:2017/03/22

姿を消した美少女

第2部は、第1部を上回るページ数で、やはり、一般的な単行本を2冊読んだくらいの気分になる。第2部では、雨田具彦(あまだともひこ)が描いた、「騎士団長殺し」という、屋根裏に隠されていた未発表の作品が、第1部以上に重要な役割を果たすことになる。
今回も、作品の雰囲気だけでも伝えられればと思いながら、レポを書くことにしよう。


第2部の話の中心は、秋川まりえという、第1部で登場した美少女の、行方不明事件である。
この、まりえという13歳の少女、ある理由から、免色が、自分の娘ではないかと思っているのだ。
免色が、山の上の豪邸に一人で暮らしているのも、この少女と関係している。
彼が、「私」に、彼女の肖像画を依頼したのも、彼の中で、さまざまな考えがあってのことなのである。


ところが、彼にとっても予定外だったのだろうが、肖像画を描く際に、まりえの付き添いとして一緒に「私」の家(持ち主は、彼の友人だが)を訪れていた、まりえの叔母の笙子と、初対面から意気投合し、すぐに親密な関係へと発展したようなのだ。


まりえという少女は、「私」と似た感覚を持ち合わせているとともに、非常に勘の鋭い少女で、そんな叔母の変化を、すぐに感じ取ってしまう。
ちなみに、まりえの母親は、彼女が幼い頃に亡くなり、父親の妹である笙子が、一緒に暮らし、まりえたちの世話をしているのである。


そして、まりえの鋭すぎる感覚が、彼女を窮地に追い込むことになるのだが、彼女のピンチを救ってくれたのは、なんと、あの、騎士団長だったことが、のちにわかる。
一方、突然、行方がわからなくなったまりえのことを想い、笙子と「私」、そして免色は、落ち着かない一夜を過ごすことになるのだった。


まりえの行方を探し求める「私」に、アドバイスを与えてくれたのも、60センチほどの騎士団長である。
しかし、騎士団長の言うとおりにした「私」にも、危険な運命が待ち受けることになるのだった。
「私」の前には、「騎士団長殺し」に描かれていた、さまざまな人物たちや、プロローグで登場した、<顔のない男>が、「メタファー」として現れ・・・


第2部の全体的な印象は、荒れ狂う波が、静かに引いていくような感じだった。
まりえと「私」が体験した、不思議で危険な体験が、間接的に、それぞれの問題を抱えている登場人物たちの境遇に折り合いを付け、収まるべきところに収まる形に導いたようである。


先にレポを書かれたこたろうさんが、この、第2部に関しては、かなり酷評されていたが、確かに、第1部に比べると、弱冠、展開に疑問を感じる部分があった気はする。


第1部で、「私」は、あてもなく東北地方を旅していたが、それが、終盤の、東日本大震災につながっていたとは思わなかった。
その辺もやはり、第1部のレポで書いたように、無駄なことは何一つないなと思った。
第2部では、さまざまな物が姿を消すのだが、そのことも、後の展開に、重要な役割を果たすことになっている。


第2部でも、やはり、さまざまな人や出来事やものが重なり合っていく。


とても読みやすく、村上さんぽい作品ではあったが、こたろうさんも書かれていたように、あまりにも騒ぎ過ぎだと思う。
ノーベル文学賞の発表前もそうだが、村上さん本人は、こんな騒ぎを、望んではいない気がする。


こたろうさんは、結末にご不満だったようだが、もしかしたら、東日本大震災を経験して、家族の再生のようなものを描いてみたかったのではないかという気もした。




余談だが、この作品の中で、まりえは、自分の胸が小さいことを、かなり気にしている。
私は日頃、無駄な胸描写が出てくる作品に、嫌悪感を抱いているのだが、この作品では、胸の成長と、まりえの成長を重ね合わせているのかなという気がした。

ニックネーム: こたろう 投稿日:2017/03/03

家族再生の物語に落ち着いた感じです。

けして好意的な感想ではありません。
作中に出てくる誰もが、家庭、家族に恵まれていない、むしろ問題を抱えていることに気づきます。主人公の私も六年一緒に暮らした妻、柚に分かれたいと言われますし、アトリエ付きの家を貸してくれた友人、雨田は高名な画家である父とこころを通わせたことがありません。ご近所の裕福な独り者、免色渉は分かれたのちに結婚し、亡くなった恋人を忘れられず、その一人娘と自分の血のつながりをかすかな希望として生きています。
雨田具彦はドイツ留学中にナチの高官暗殺事件に加担し、恋人を失い自身も深い心の傷をおったままで「騎士団長殺し」という謎めいた絵を屋根裏部屋においたまま施設に入っています。


第2部のサブタイトルは「「遷ろうメタファ―編」と題されていて、メタファー暗喩にあたる不思議な存在も出てくるのですが、まずは免色が気にしている秋川まりえの肖像画を描くことになり、そこに偶然をよそおって免色がおとずれ、まりえの叔母のほうと親しくなることに成功します。


物語は主人公が東北から北海道をさまよっていたころの出来事、意味深な夢だったり、「スバルフォレスター」にのったおそらくは邪悪な存在であろう男を思い出して絵を描いたり、絵に込められたそれこそメタファーが溢れるように重ね塗りされた状態でいよいよというか、あちら側の世界との対決となります。
まずはまりえが行方不明になり、その後現れた騎士団長のすすめで危篤の雨田父の施設を訪れ主人公は陥穽におちいるようにあちら側に入っていきます。


昔から神話や古典で繰り返し描かれてきた黄泉の国へ行って大切な人を連れて帰る、というあのパターンがここでも繰り広げられるのですが、正直に言って物語の後半は期待はずれでした。


迫力不足というか、説得力や迫真力に欠ける展開、文章で、途中でこれは「1Q84」のように第3部につながっていて、それも何年後かに出るのかなと思ったのですが(残りページ数がすくなくなってまだこの展開では終わりそうにないなと感じたのですが)驚くほどあっさりと結末をむかえます。
まりえと私はおそらく地下の深い暗いところを彷徨うのですが出会うことなく、互いに別々に生還してしまい、まりえに至ってはあちら側にもいっていないという、なんだか不完全燃焼の終わり方になっています。


それでも私と柚は元の鞘に収まる結果になり、恩寵のような贈り物を得るのですが、そして村上作品でははじめてと言っていい意外な展開で終わります。それを進化ととらえる人もいるかもしれませんが、全体を見て感じるのは新しい展開が皆無で、これまでの作品で取り上げてきたテーマをおさらいしただけで、安易に主人公だけが幸せになって終わり、という印象でした。ほんとうにそれでいいのかなと読んでいて違和感が残ります。


村上さんの年齢を考えるとあと一作か二作、大作と呼べる作品を残すのが精一杯でしょうから、こじんまりとまとまらずに新しい世界観を築くような大きなテーマに取り組んでもらいたかったのですが、残念です。
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