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本 騎士団長殺し 第1部

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本-騎士団長殺し 第1部
著者: 村上春樹 (著)
定価 ¥1,944(税込)
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商品情報

出版社名
新潮社
発行年月
2017年 02月
ISBNコード
9784103534327
版型
--
ページ数
507P
平均評価
(4)
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ブクレポ
2件

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村上春樹 OFF

内容紹介

その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。
夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降っていたが、谷の外側はだいたい晴れていた…。
それは孤独で静謐な日々であるはずだった。
騎士団長が顕れるまでは。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: まーち 投稿日:2017/03/20

予想もつかない日々の始まり

この作品、第一部だけで、500ページを超える長編で、しかも、かなり文字も詰まっているので、一般的な単行本を2冊くらい読んだ気分になる。第一部を読んだ限りの、個人的な印象を述べると、今まで私が読んだ村上作品の中で、最も読みやすかった。
これだけの分量の作品なのに、無駄な言葉が一つもないような、研ぎ澄まされた作品という感じで、読み始めたら止まらなくなってしまった。


この作品については、すでに、こたろうさんがレポを書かれているが、私の筆力では、内容をうまくまとめられそうもないので、作品の雰囲気だけでも伝えられればと思う。


この作品は、主人公の「私」(36歳)が、突然、妻から離婚をせまられるところから始まる。
自分が家を出ると宣言し、あてもない旅に出る「私」。
ロードノベル的な展開になるのかと思いきや、長年乗り続けた車の故障で、あっけなく旅は終わる。


その後、友人の厚意で、認知症のすすんだ彼の父親が施設に入ったため、空き家となっていた、小田原の山の上にある、アトリエ付きの家に、「留守番」として暮らすことになる。


「私」は、売れない画家で、肖像画を描いて生計を立てていたのだが、そんな彼が、屋根裏で、「騎士団長殺し」という作品を発見したあたりから、不思議な出来事に巻き込まれていくことになるのだ。


友人の父親である、雨田具彦(あまだともひこ)は、世界的に知られた画家だった。
しかし、彼の家には、彼の方針で、作品は一点も置かれていなかったのである。
そんな彼が、なぜ、屋根裏に作品を隠したのか?


さらに、妻に離婚をせまられてから、肖像画の仕事は引き受けていなかった「私」が、免色(めんしき)渉という、家から見える所に住む男からの、肖像画の依頼を受けることになる。
もちろん、高額な報酬というのも、引き受けた理由の一つなのだが。
そして、謎に包まれたこの男との出会いも、「私」の運命を変えていくことになりそうだ。


夜中に、石の下から聞こえてくる鈴の音、そして、石の下に隠されていた、謎の穴。
突然姿を現した、「騎士団長」の姿を借りた「イデア」。
なぜか、その「騎士団長」の姿は、「私」にだけ見えるらしい。
この、60センチくらいの、小さな「騎士団長」が、今後、どんな役割を果たしていくのか?


この作品で気になったのは、さまざまな人物や出来事、ものなどの「重なり」である。
「私」は、3歳年下の妻と、12歳で亡くなった、3歳年下の妹を重ねていた。
さらに、免色に頼まれて、肖像画を描くことになった、秋川まりえという、13歳の少女とも、妹が重なっていく。


そして、旅の途中で出会った女性と、小田原に住むようになってから関係を持った、年上の人妻が重なる。
また、旅の途中で出会った女性を追っていたと思われる、「白いスバル・フォレスター」に乗っている男。
彼の肖像画を描くという衝動に駆られた「私」は、やがて、彼と自分が重なっていく。
唐突に思われるエピソードなどが、あとの話の中で、実に見事につながっていくのだ。


「騎士団長殺し」という作品は、オペラの作品と関係しているらしい。
そのほかにも、さまざまな音楽が登場する。
そして、車の色など、さまざまな「色」が登場するのも意味ありげだ。


どうやら「私」は、奇妙な世界に足を踏み入れてしまったようである。
プロローグで登場した、<顔のない男>も含め、気になることばかりの第一部だが、第2部では、どのような展開が待ち受けているのか?
続きを読むのが楽しみである。

ニックネーム: こたろう 投稿日:2017/03/01

いかにも春樹さんらしい物語のはじまり。

第一部につけられたサブタイトルが「顕れる(あらわれる)イデア編」となっています。
いかにも深い意味がありそうな謎めいたタイトルで、わたしなんかまずこの「イデア」でつまずいてしまいます。
ウイキペディアで調べると「プラトン哲学の根本用語で「心の目」「魂の目」によって洞察される純粋な形、つまり「ものごとの真の姿」や「ものごとの原型」なのだそうです。


はじまりは顔のない男が画家であろう男性に肖像画をかけとせまる場面がプロローグと出てきます。


その後、主に肖像画をえがいて暮らしている男性が結婚六年目にして、妻から別れたいと言い出され車で北へと旅立ちます。すこし前から妻がほかの男性とつきあっていることに気づかなかったのを悔やみながら。


旅から舞い戻った画家は美大時代の友人に都合をつけてもらい、彼の父が老齢で施設に入り空き家となった小田原の山の上のアトリエつきの建物に住まわせてもらいます。
その家からは谷間をへだてたむこうがわに豪勢な白い建物が見え、そこに住む一風変わった男性免色渉(しきめんわたる)という謎めいた男性と知り合いになります。


またアトリエのある家の屋根裏の物音が気になり調べてみて元の持ち主、高名な日本画家だった雨田具彦の描いたらしい未発表の絵「騎士団長殺し」と題された不思議な絵をみつけます。


物語は緩やかにけれどけして後戻りのできない、謎めいた展開になり、真夜中に聞こえてくる鈴の音にみちびかれて誰が作ったかわからない穴をみつけたり、雨田の絵に描かれていたのとそっくりの、小さな騎士団長が私の前に現れたりと、この世と向こう側の世界がつながった不思議な世界を主人公は行き来することになります。


免色という名前は前作の「色彩を持たない……」の主人公を思い起こさせるのですが、作中で重要な役割を演ずることになります。
そして「騎士団長殺し」という物騒でよびにくい題名の絵は雨田が戦前留学していたドイツでのある出来事と深くかかわっているらしいことのわかってきます。


本作はこれまでの、特に最近の村上氏のテーマを引き継ぎより深くえがいたもののように感じます。妻に別れを言い出される主人公は、それまで十三で亡くなった妹への思慕を妻にラップさせて妻を愛するというだけではなかったことを、自ら感じ取るそんな内省的な生き方を離れ屋で送るのですが、ある意図をもって豪奢な白い家を買い取った免色に肖像画の依頼を受け、その後、本当も目的を打ち明けられて引き受けることにします。


そして登場する、以前亡くなった小路(コミチ)という名の妹とも重なるイメージの十三歳の個性的な秋川まりえが登場してきます。育てている叔母の笙子に連れられて。


巷でも噂されていますが「騎士団長殺し」という題名はオペラ「ドンジョバンニ」のなかに出てくる出来事をモチーフにしているようで、オペラの中では石造の騎士団長にドンジョバンニは地獄に連れていかれるのですが、さて村上春樹氏の作品では主人公はどうなるのか、どう行動するのかゆったりとした展開で描かれる物語の先が気になります。
また離婚を覚悟しているせいか、生来の資質なのか主人公は絵画教室の生徒さんと関係を複数持っていて、その行為の描写もなかなか村上春樹らしい丁寧さで描かれてきます。


毎度おもうのですが、村上さんははっきりと好みがわかれる方で、その理由は謎めいた雰囲気でそのまま終わってしまったり、露骨な性描写だったりなのだろうか、と今回も感じました。
にしても、世間は騒ぎ過ぎです。それを煽るようなマスコミもいかがかとしかめ面になる私です。
上巻については物語を展開させて、これまでの村上春樹の「ねじまき鳥」から取り上げてきた(もっと前の作品からかも)悪との対決姿勢や、そのために主人公が行動して払わなければならない代価のようなものを覚悟する姿勢など、目新しくはないものの、下巻でどう膨らみ、収束していくのか、どこへ行きつくのかと期待を持たせます。
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