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本 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影

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本-100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影
著者: 春日真人 (著)
定価 ¥529(税込)
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商品情報

出版社名
新潮社
シリーズ名
新潮文庫 か-60-1
発行年月
2011年 06月
ISBNコード
9784101351667
版型
--
ページ数
253P
平均評価
(4.5)
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ブクレポ
2件

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春日真人 OFF

内容紹介

1世紀にわたり、幾多の挑戦者を退け続けた超難問、ポアンカレ予想が解かれた。
証明したロシア人に対して、「数学界のノーベル賞」フィールズ賞が贈られ、偉業は大きく祝福されるはずだったが―。
受賞を辞退して姿を消し、100万ドルの賞金さえも受け取らなかった天才は、栄光の陰で何を見たのか。
数学者たちを悩ませた難問の実像に迫る。
大反響を呼んだ傑作ノンフィクション。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

目次

プロローグ 世紀の難問と謎の数学者/第1章 ペレリマン博士を追って/第2章 「ポアンカレ予想」の誕生/第3章 古典数学vs.トポロジー/第4章 1950年代「白鯨」に食われた数学者たち/第5章 1960年代クラシックを捨てよ、ロックを聴こう/第6章 1980年代天才サーストンの光と影/第7章 1990年代開かれた解決への扉/エピローグ 終わりなき挑戦

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: Tucker 投稿日:2013/02/10

100年の宿題

2000年、アメリカの私設研究機関であるクレイ数学研究所が数学上、重要な未解決問題を選び、100万ドルの懸賞金をかけた。

その中の一つ、「ポアンカレ予想」
「単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と同相と言えるか」
というもの。

専門知識がなければ、何を言っているかさえ分からないが、宇宙の「外」に出ることなく、宇宙の形を調べる事につながるもの。
1904年にポアンカレの論文の中で「問題」として提唱されたため、「ポアンカレ予想」と呼ばれるようになった、この「宿題」は、その後、約100年の間、数学者を苦しめることになる。

そのポアンカレの「宿題」も2002~2003年に一人のロシア人数学者、グリゴリ・ペレリマン博士によって解決される。
その事自体、数学界が大騒ぎするほどの話題になったが、それ以上に騒ぎになったのは「数学界のノーベル賞」と呼ばれるフィールズ賞受賞が決まった時のこと。

ペレリマン博士は、その賞の受賞と賞金の受け取りを辞退したのだ。
裕福なわけでもないのに・・・。
それどころか、その後、公の場から姿を消してしまう。
・・・というより失踪同然の状態となる。

100年の間、数学者を苦しめた難問とはどのようなものか
その難問を解いたペレリマン博士はどんな人物なのか
そして何故、フィールズ賞を辞退したのか

本書は、2007年10月22日に放送されたNHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者 失踪の謎」が元。
そのためか、番組で使った写真が多数掲載されている。
ただ、その写真も人物ばかりでなく、ポアンカレ予想や関連する問題を解説する図にして欲しかったという気はする。
(そのため、分かりにくくなっている、というわけではないが)

ちなみにポアンカレ予想の説明は、イメージ優先ではあるが分かりやすい。(少なくとも分かった気にはなった)
また、この問題の解決に関わった数学者達の話もついつい引き込まれてしまう。

本筋から離れてしまうが、著者は番組作りの際、何度もこう言われたという。
「数学の番組を作る?私は数学は嫌いでしたねえ」

確かに学生時代、自分も数学は嫌いだった。
が、社会人になった直後くらいから、全て理解できなくても、数学の話題について興味を持つことも多くなった。
(それに比例して「玉砕」することも多くなったが)

数学が現実の自然現象を解くカギになることが分かったからだろうか、試験で合格点を取る必要がなくなったからだろうか。

ニックネーム: tenkiya 投稿日:2012/05/10

数学の魅力と魔力

2007年10月にNHKスペシャルとして放送された『100年の難問はなぜ解けたのか-天才数学者の光と影』の番組ディレクタが著したポアンカレ予想についてのノンフィクション。本書の構成はほぼ番組の流れに沿っており、その中心はポアンカレ予想の内容と数学者が挑んできた苦闘の歴史の紹介です。

一般向けの番組を下敷きにしているだけに、特別な知識を仮定せず、難解なポアンカレ予想を「宇宙の外に出ることなく、宇宙の形を調べる方法」になぞらえて説明するなど、かなりわかりやすくなっています。ポアンカレ予想のイメージをとらえる入門編としては最適でしょう。

ポアンカレ予想は1904年に提起されたものですが、その論文の最後には
「この問題は、我々をはるか遠くの世界へと連れて行くことになるだろう」
と書き記されています。その後の数学者の苦闘はまさにこの予言通りのものとなりました。

一般に、数学者がある難問に取り組むにはかなりの勇気と決意が必要です。例えば、ワイルズが証明した「フェルマーの最終定理」はフェルマーの問題提起から約350年という歳月が必要だったわけですが、自分がそれこそ「命と引き替えに」取り組んでも、生涯のうちにその問題が解決できる保証は全くありません。もし解決に至らなければ一生を棒に振る可能性もあるのです。
それでも難問に挑戦する数学者は少なからず存在します。それは「登山家が山で命を落とすことを恐れないのと同じ」であり、「見たこともないものを何とか見ようとする努力を続ける旅」とも表現されます。

ポアンカレ予想について、どのようなアプローチが行われ、どのようなアイデアが検討されていったのかは本書をぜひ読んでいただきたいのですが、最終的にこの予想を証明したのが、ロシアの数学者グレゴリ・ペレルマンでした(本書ではペレリマンと表記されています)。ペレルマンは2002年秋にインターネット上にその証明を発表したのですが、実際には1996年2月に問題の突破口を見つけ、2000年頃にはすでに問題を解決していたというのですから、まさに驚異的です。

ポアンカレ予想は、位相幾何学という数学の分野の問題ととらえられ、ほとんどの数学者は位相幾何学的アプローチを試みていました。が、ペレルマンの専門はリーマン幾何学であり微分幾何学という数学の分野でした。彼は微分幾何学のアイデアでこの位相幾何学の難問を切り崩し、さらに物理学に由来するアイデアを導入して解決したと言えます。これは多くの数学者にとって「予想外」の方法であったようで、証明が公表された後の2003年4月に行われたペレルマンの講義を位相幾何学を専門とする聴衆の多くは理解できなかったそうです。ペレルマンという数学における「万能選手」の能力をもって、100年にわたる未解決問題は解決されたということが言えます。

しかしポアンカレが予言したように、この問題はペレルマンをも「はるか遠くの世界へと連れて行く」ことになってしまったようです。
2006年の国際数学連合によるフィールズ賞授賞式にペレルマンは現れず、またアメリカのクレイ研究所がポアンカレ予想に懸けていた100万ドルの賞金も受け取りを拒否しています。この本の最後には、高校時代の恩師もペレルマンとの面会を拒否される場面が描かれます。
それまでのペレルマンの人生では数学がすべてであったのに、数学界すら彼と全く連絡が取れない状況になっているのです。

はたして、世紀の難問を解決したペレルマンが見た世界とは何だったのか。本当にペレルマンは数学を捨ててしまったのか。人類でただ1人が体験できる世界を見た彼をもはや誰も理解できないのかもしれません。これこそが数学の魅力であり、魔力なのでしょうか。

歴史的な経緯をもう少し詳しく知りたい方は『ポアンカレ予想』(ジョージ・G・スピーロ)を、ペレルマンの生い立ちや内面の葛藤を知りたい方は『完全なる証明』(マーシャ・ガッセン)を合わせて読むことをオススメします。
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