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本 黄昏の岸暁の天(そら)

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本-黄昏の岸暁の天(そら)
著者: 小野不由美 (著)
定価 ¥766(税込)
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商品情報

出版社名
新潮社
シリーズ名
新潮文庫 お-37-61 十二国記
発行年月
2014年 04月
ISBNコード
9784101240619
版型
文庫
ページ数
478P
平均評価
(5)
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ブクレポ
1件

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小野不由美 OFF

この商品について

登極からわずか半年。反乱鎮圧に赴いた王は還らず、麒麟も消えた国の命運は!?

内容紹介

驍宗が玉座に就いて半年、戴国は疾風の勢いで再興に向かう。
しかし反乱鎮圧に赴いた王は戻らず、届いた凶報に衝撃を受けた泰麒も忽然と姿を消した。
王と麒麟を失い、荒廃へと向かう国を案じる将軍は、命を賭して慶国を訪れ、援助を求める。
戴国を救いたい―景王陽子の願いに諸国の麒麟たちが集う。
はたして泰麒の行方は。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: 3ki 投稿日:2014/04/08

天の理、地の理

ここでは無いどこか。
自分の居場所は、本来、ここでは無くて、どこか別の場所に、本当の自分になれる場所がある。
そこでは、何もかもうまく行き、自分のことが認められ、尊重される。
そんな風に思ったことは無かっただろうか。


幼い日に親に叱られて、「自分は、ここのうちの子じゃ無いんだろう」とか、大きな失敗をしでかして「これが夢だったら」とか、自分の目の前にある嫌なことを押しのけるための、手軽な手段。
しかし、絶対にそんなことは起きない。それは、物語の中だけ。
魔法使いは、ガラスの靴をくれないし、心からのキスで、王子に変身させたりはできない。
そこに残るのは、いつも不満だらけの自分。


そういう意味では、究極の異界訪問譚、時空を越えることによって渡った異世界で王になり、麒麟になるというのは、ヒロイズムを大いに刺激する物語展開であろう。
しかし、十二国には、平坦な道は無い。
現実と同じく、むしろ、より困難な道がどこまでも続いているのか、どこかで途切れているのか、地図も無いまま伸びていて、そこをたどるだけのもの。




世界観について、その10「天の理」
我が国には、憲法解釈、というヤツがある。例えば、「平和憲法」の名の下に知られる九条がそれだ。
最も素直に読めば、戦闘機や爆撃機、爆弾や戦車など、戦争を起こしそうなものは、一切合切持たず、戦争するくらいなら、無抵抗なまま、死んでしまいそうなくらいに思えるものだ。というのは、初めて読んだとき、そのように思ったから。
しかし、「自衛権」は持つとの解釈から、自衛隊が生じる。さらに、今の内閣は……と、続く。
これは、解釈上の問題だ。人が議論し、もしかしたら、黒いものが白にも変身するかも知れない。
十二国には、天綱というものがある。この世の成り立ちを説明し、必要なことが書かれている。
「人道をもって治べし」と書かれれば、人道のない王は、いずれ滅びる。神仙となった王には寿命が無いにもかかわらず、天の理から外れれば、浄化作用が働く。他国に攻め入っていけないと書かれていれば、それがどんな理由であれ、その国の王の意に逆らった兵を入れれば王朝は滅びる。他国の圧政を見かねて、人民を助けようとしただけだとしても。
そこに解釈の余地は無く、機械的、事務的な手続きなのだ。
今回、この「天の理」が、陽子たちを縛る。






陽子が堯天で暮らすようになって3年、禁門に表れたのは、満身創痍の李斎だった。
この戴国将軍は、右腕が腐り落ち、今にも崩れ落ちんばかりの騎獣から降り立つと、その身を門の内へ滑り込ませた。
直接、慶東国国王、陽子に助けを乞うために。
慶国秘蔵の宝重によって生きながらえた李斎が語る戴国の現状は、荒廃を極めた。島国である戴国と他の国の間は虚海が遮り、妖魔が飛び交うという。正当な王の姿が見えず、起った偽王は逆らうものに一切の容赦なく、地が骸で溢れた。
そして、李斎は、唆すためにやってきたのだ。……覿面の罪を。
虚海を越えて王師を連れて戴国に入れば、陽子は天命を失い玉座を追われる。それを承知で「戴を助けて」と冀う。


実は物語は、「魔性の子」「風の海迷宮の岸」の裏としても綴られており、また、後日譚ともなっている。
そういう意味では、このエピソードでは、蓬莱と呼ばれる現代日本と十二国のある異界との交わりが試みられるようにも見える。
もちろん十二国は物語なのだが、わたしたちからは、「誰かが創った世界」に見える。「神」の権限を持つ、作者という創造主が設定した通りに制約が起き、それぞれがデジタル仕掛けのプログラムで動かされている。運命すら、あらかじめ決まってでもいるかのようだ。そして、わたしたちの住む世界は本来そことは交わらない。しかし、何かの拍子に混濁すれば、十二国側の方が、存在が希薄に思える。


夢の世界のはずだった。
王が非道をするならば、徳のある人物を王に天命をもって据えれば良い。
その王に寿命があることが問題なのならば、神仙に召し上げ、不老不死にすれば良い。よくできた家臣も同様だ。
他国と戦争することが災厄となるならば、他国に許し無く、軍を入れることが不可能であれば良い。
仁の具現である麒麟をお目付役に、国の一切を引き受けるのが王だ。
そして、天綱に背き、天命を無くせば、王は死をもって沈む。失敗だったとやり直せることはほとんど無い。
しかし、その天すらも、条理の網の内にある。
天が地を救うならば、過ちをも犯す。存在するものに、無謬など無い。
ならば、人は、自らを自らで救うよりほかない。
天があると頼みにすれば、自ら立つことを失うかも知れない。
そして、陽子の持ち込もうとしている考えが、いつか、天の条理をも越えるものになるのでは無いかと、密かに期待するのである。
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