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本 ローマ人の物語 26

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本-ローマ人の物語 26
著者: 塩野七生 (著)
定価 ¥464(税込)
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商品情報

出版社名
新潮社
シリーズ名
新潮文庫 し-12-76
発行年月
2006年 09月
ISBNコード
9784101181769
版型
--
ページ数
180,16P
平均評価
(4.5)
: 1件
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: 0件
ブクレポ
2件

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ローマ人の物語 OFF
塩野七生 OFF

内容紹介

安全保障の重要性を誰よりも知っていたハドリアヌスは、治世の大半を使って帝国の辺境を視察し続け、帝国の防衛体制を磐石なものとした。
しかしその責務を無事終えローマに戻ったハドリアヌスは、ローマ市民の感覚とは乖離する言動をとり続け、疎まれながらその生涯を終える。
そして時代は後継者アントニヌス・ピウスの治世に移るが、帝国全域で平穏な秩序は保たれ続けた。
それはなぜ可能だったのか。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

目次

第2部 皇帝ハドリアヌス(承前)(ヴィラ・アドリアーナ/再び「旅」に/ローマ軍団/エジプト/美少年/ユダヤ反乱/「ディアスポラ」/ローマ人とユダヤ人/余生/後継者問題/死)/第3部 皇帝アントニヌス・ピウス(幸福な時代/人格者/マルクス・アウレリウス/「国家の父」)

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: 3ki 投稿日:2014/12/24

皇帝の方が属州を周り、民の声に耳を傾けた

織田がうち、羽柴がこねし天下餅。座して喰らうは、


なんて、言葉が浮かんでくるのはわたしだけ?
トライアヌスがうち、ハドリアヌスがこねし、帝国餅。座して喰らうはアントニヌス・ピウス。


帝国を最大版図に押し広げたトライアヌス。
その防衛を盤石にするため、旅に次ぐ旅をし続け、命を縮め、最後には疎まれ、神格化すら危ぶまれたハドリアヌス。
そして、後継たるアントニヌス・ピウスに遺されたのは、ほとんど手を加えることなくあり続けることが可能な、「パックス・ロマーナ」の集大成たる帝国だった。


塩野氏が「何もなかった」と言い切って、ほとんど紙幅を裂いてはいないアントニヌス・ピウスとは裏腹に、この「賢帝の世紀」下巻も、多くはハドリアヌスに裂かれている。
中巻が公人としてのハドリアヌスが中心であったのに対し、この巻は、個人のハドリアヌスについての記述が中心になる。
国政はほぼ人に任せ、防衛改革と体制強化に努めたハドリアヌスは、事を終えたあと、元々の気難しさを強くしていた。


徹底的につとめを果たすハドリアヌスだからこそ、なし終えたあとのすべきことの喪失感が、燃え尽き症候群を生んだとしても仕方ない。
反対に、アントニヌス・ピウスは、帝国統治に於いて、本国から出ずにそれを成す。それを許す体制構築を身を削って行ったハドリアヌスのおかげである。そして、長命をも得るのである。
もちろんそれを「サボっている」というつもりはない。時が配剤を許した、適材適所の一つなのである。


「ピウス」とはあだ名で、「慈悲深き人」を意味する。気難しく、決して人当たりがよいとはいえず、その治世の末期には、数多の議員を裁判に訴えたハドリアヌスの後にあって、「ハドリアヌスもこうしたはずだから」と中途にあった皇帝告発の裁判をすべて前皇帝の顔を立てて恩赦として終えてしまうということをしている。また、記録抹殺刑に繋がるかも知れない、議員が起こしたハドリアヌスの神格化の阻止の動きを涙を流さんばかりにして止めた。


こうした、好対照の二人を見るに付け、いろいろと比べて考えてしまう。
多分、つき合うなら、満場一致でアントニヌス・ピウスがよいに違いない。付け加えるなら、群衆に交じっていても目立つタイプの美男で、すらりとした長身、立ち居振る舞いに品格があり、よく通る低音の持ち主で、平易で明晰な演説。
ただ、目が離せないといったら、ハドリアヌスは半端ない。命を縮める原因ともなったはずの属州統治の旅、同行したフロルスに「皇帝にはなりたくないものよ ブリタニア人の間をほっつき歩き 辺境の地をさまよい スキュティアの酷寒に肌を刺され」などとうたわれた程にストイックな生活。いや、節制という意味では倹約のアントニヌス・ピウスも負けてはいないのだが、自分をいじめるほどの苦境に身を置くのがハドリアヌスなのだ。ちなみに、中巻で紹介した趣味、ギリシャ趣味全開の別荘を建てるほどには倹約家では無い。
さて、どちらが魅力的かなあ。






ローマの考え方の徹底的で、見習いたいことの一つが、「思わぬ幸運に恵まれて成功するよりも、状況の厳密な調査をしたうえでの失敗のほうを良しとする」というものである。幸運な成功は、調査の重要性を忘れさせる危険があると考える。
そして、失敗したものは、次はうまくやるだろうと考える。そして、任せるのである。


そうしたローマが作りだしたのがパックス・ロマーナで、すべてのインフラに先んじて重要なのが「平和」だとし、それを帝国内に知らしめたのもローマの功績だとする。周辺国では、略奪を生業とするものもいる中で、平和のもたらす豊かさを知らしめたことが大きな功績だという。
辺境をローマに組み入れれば後、道を通し、隅々までローマを行き渡らせる。
ローマはすべての始まりであり、すべての道はローマより始まる。
そのインフラに注目した次巻へと話は続くのである。

ニックネーム: sasha 投稿日:2011/08/28

燃え尽きた人と慈悲の人

先帝トライアヌスが堅牢にした国境防衛で、帝国の安全保障は
確立した。その帝国を受け継いだハドリアヌスは、自らが広大な
帝国を実際に見て回ることでより一層の防衛強化策を講じる。

この属州視察の旅で、エジプトを訪れた際に悲劇が起こる。
皇帝が愛した美少年アンティノーがナイル川就航中の船から
落ちて溺死している。

「しかし、相当な数にのぼるアンティノーの彫像を見ていて感ずる
のは、ゼロとしてもよいほどの知性の欠如である。美しさならば
完璧で、そのうえまことに官能的だが、知力をうかがわせるもの
は影さえない。」

これまた辛辣な著者のテンティノー評である。私はここまで深く考え
ずにアンティノーの彫像は見ていなかった。「なんと整った顔なのか」
としか感じなかった凡人である。

さて、このアンティノーの溺死。成熟した大人の男になる前にハドリ
アヌスの愛を永遠に自分に引きつけておこうとした自殺であるとの
説を採用している。

愛を獲得する為の、最終手段だな。少々ずるいけど。

さて、広大な帝国の巡視を終え、国境防衛の再構築をして首都
ローマに戻ったハドリアヌスだったが、老齢から来る身体の不調
とやるべき事をやり終えたことから来る燃え尽き症候群に襲われる。

身辺の世話をする奴隷に支えられなれば足元もおぼつかなくなった
皇帝は、余生のほとんどを別邸で過ごすようになる。

こんなハドリアヌス帝が後継者に指名した若者は、軍団の指揮を
経験すべきとして送られたドナウ河の前線基地で大量の吐血をした
後に亡くなる。

ハドリアヌスが次に後継者に指名したのは、後に「慈悲深き人」と
意味する「ピウス」の名を冠されることになるアントニヌス・ピウスだ。
だが、この後継指名にはひとつの条件が付け加えれていた。

ハドリアヌス帝が、ゆくゆくは当事者にと考えていた少年二人を、
アントニヌスが養子に迎えることだった。

知性のほとんどを帝国の視察に当てたハドリアヌスの後を継いだ
アントニヌス、ローマ皇帝に贈られる「国家の父」を文字通りに体現
した、慈悲と秩序の人だった。

しかし、このアントニヌス、現存する史料がまったくないようで、著者
の筆も相当に鈍りがちだ。でも、次の一文を。

「政治思想家マキアヴェッリによれば、リーダーには次の三条件が
不可欠となる。「力量」、「好運」、「時代への適合性」である。(中略)
トライアヌスやハドリアヌスと同じく、アントニヌ・ピウスもまた、「質」は
違ってもこの三条件は満たしていたのである。統治される側にとって
の幸福な時代とは、この三条件すべてを持ち合わせていながら「質」
はちがうリーダーが、次々とバトンタッチしていくじだいであるのかもし
れない。」

三条件なぁ…誰も持ってない気がするけど。某政権党の代表選。ブツブツ。
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