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本 ブンナよ、木からおりてこい

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本-ブンナよ、木からおりてこい
著者: 水上勉 (著)
定価 ¥529(税込)
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商品情報

出版社名
新潮社
シリーズ名
新潮文庫 み-7-14
発行年月
2014年 02月
ISBNコード
9784101141145
版型
--
ページ数
227P
平均評価
(5)
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ブクレポ
1件

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水上勉 OFF

内容紹介

トノサマがえるのブンナは、跳躍と木登りが得意で、大の冒険好き。
高い椎の木のてっぺんに登ったばかりに、恐ろしい事件に会い、世の中の不思議を知った。
生きてあるとは、かくも尊いものなのか―。
作者水上勉が、すべての母親と子供たちに心をこめて贈る、感動の名作。
本書は『青年座』で劇化され、芸術祭優秀賞をはじめ数々の賞を受賞した。
巻末に「母たちへの一文」を付す。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: ムーミン2号 投稿日:2014/03/20

世の中はまわりもち

水上勉さん、名前はよく知っている。演劇で『越後つついし親不知』『越前竹人形』『はなれ瞽女(ごぜ)おりん』は観たことがあり、同じく演劇からこの『ブンナよ、木からおりてこい』は知った作品だ。青年座、というところが上演した劇で、観た当時はいたく感動し、原作本を読んだものだ。
今回のこの本は、いわば決定稿であって、最初に作られたものを自身が脚本として上演した際、いくつか手直ししたい部分が出てきて、改稿をした結果できあがったものである。その点については本書の「改訂版あとがき」に書かれている。
ワタシが最初に読んだのは、この改訂がなされる前のもので、解説も違っていた。水上勉が珍しく本音を語っている、というような文章で始まった解説だったが、本書は違うし、後にアニメ化されたときの画像だろうか? 最初に4ページにわたってカラーのイラスト、各章の初めにはモノクロのイラストがそれぞれ挿入されている。


さて、そういった周辺情報はともかく、内容である。
水上氏が仏教に関連した作品を多く書いていることは何となく知ってはいたが、まずもって「ブンナ」という名からしてブッダのお弟子さんの名前だ。そして描かれる世界は多分、仏教思想を背景としているのだろうが、そこらあたりの関連は、詳しくないので不明。
そんなことを前提としなくても、非常に優れた、かつ面白い作品であると思う。


泥ガエルにまじってトノサマガエルのブンナだけ一匹、その中で暮らしている。色が違うけども、緑色のブンナは葉っぱが同じ色なので、外敵から見つからずに外敵の来襲をみんなに教えることができるし、なにより跳躍力があって、木にも登れる。
高い椎の木の枝分かれしたところまで、ある日登ってみると、世界が違っていた。もどってみんなに自慢するブンナ。今度はてっぺんまで行ってみせるさ、と豪語して、体調のいい日を選んで本当に登ってしまい、鼻高々だ。もう一度登りたいと出かけるとき、仲間はムリをするな、降りて来いと何度も声をかけてくれたが、上りたい一心で行ってしまう。椎の木のてっぺんは雷に打たれたか折れていて、そこには土もある程度の深さであった。その中に入り込んでいた時、上の方で羽ばたく音がし、何かがドサっと落とされる。何とそこは鳶が捕まえた獲物を半生の状態で置いておくところだったのだ。
百舌、雀、鼠、蛇、牛ガエル、つぐみ が冬を前に食料を集める鳶のために捕えられ、エサの一時置場である椎の木のてっぺんに順に放られる。だいたい2匹づつの展開だが、鼠は途中で一度飛び降りて、またつかまるので蛇、牛ガエルと3匹になることもある。
死を前にして、それぞれの動物は従容としてそれを受け入れようとする。兇暴な百舌にも、狡猾な鼠にも、自分の罪を悔いる心がある。ブンナは土の中でそれを聞きながら、不思議な気持ちにとらわれるのだが、いざ、鳶がやってくると、あんなに御大層なあきらめの心境を語っていた百舌が最後のあがきを見せたり、雀は他の動物に、この土の中にはカエルがいるはずだから、それを食べたらどうか、などと言ってみたり、食いつきはしないと約束したはずの蛇は鼠の足に噛りついたりなどという展開をみせたりする。
また、それぞれの動物が、母親からならったことを教え合うのを聞くと、ブンナはどの動物にも優しい母がいて、それぞれ生きるための知恵を授けていることを知る。
鼠はこの椎の木の上で死んでしまうが、ブンナに自分が死んだら腐って土に返る際に虫がわくから、それを食べて生きろ、と言ってくれるし、本当にブンナはそうして冬眠に備えることができ、椎の木の上で一冬を過ごせた。
鼠の死骸からわいた虫を食べて生きる自分のことを考えながら、ブンナは「動物はみな弱いものをくって生きる以上、だれかの生まれ変わりだ。世の中はまわりもち」と思えるようになった。
だから、無事冬眠を終えて、水ぬるむ春になって地面に帰ることができた時、前のように自慢はしなくなっていた。


仏教のことは分からないけど、死生観や弱肉強食の世界、食物連鎖とか輪廻転生などといった、知ってる限りの言葉が想起されるような物語だったし、そういった摂理がうまく表されていたと感じる。自分のいのちというものは、だれかのおかげて生きてこれたものだ、とブンナが感じることそのものが、この本のテーマだろうと思う。
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