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本 凍原

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本-凍原
著者: 桜木紫乃 (著)
定価 ¥1,620(税込)
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商品情報

出版社名
小学館
発行年月
2009年 10月
ISBNコード
9784093862646
版型
--
ページ数
317P
平均評価
(4.5)
: 1件
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ブクレポ
3件

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桜木紫乃 OFF

内容紹介

湿地に足を取られて死んだ者は、土に還ることも出来ず、永遠に水の中を彷徨っている。
釧路湿原で発見されたサラリーマンの他殺死体。
被害者が開けてしまったのは、64年も前に封印されたパンドラの箱だった。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

著者情報

桜木 紫乃
1965年北海道釧路市生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。2007年、初の単行本となる『氷平線』を発表、新聞書評等で絶賛される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: hi2515 投稿日:2016/01/12

郷里で

私が、釧路の住人で、アーミーさんやFree Styleさんの評価も高くに気になっていた作品です。


意外と、自分の故郷って知っているようで知らない事も多いけれど、やはり地の利やその土地の風習は、身体に馴染み易いのも事実です。


釧路、札幌、留萌、小樽の道内各地や樺太が舞台として出てきましたが、そう言えば祖母が樺太で食べたタラバ蟹の味が忘れられないと言っておりましたが、確か親戚の家へ出かけた時の話だったはずです。


こちらに住んでいると、似たような境遇や古き時代の這い上がり人生の話はよく聞いたものです。


お話は1992年7月の一人の少年の失踪から始まります。大きな獲物(キタサンショウウオ)を取ってくると言って家を出たまま、行方不明となりどうやら、谷内眼(ヤチマナコ)に飲まれ込んだらしいという結論に行き着きましたが・・・


こちらに住んでいても、谷内眼は、初めて聞く言葉です。谷内坊主なら誰でも知っているのですが、スゲの根っこが未分解物と共に成長を重ね、冬の凍上現象で何年もの歳月をかけて盛り上がってまるで坊主頭の様に、湿原に転々としているのです。眼と坊主は凸凹コンビと言った仲で、一見乾いて見える地はズブズブで、私達の年代ならば入って行かないはずなのですが・・・


話は、樺太の長田キクへ飛び、時代も1945年の終戦直前の8月から日本へ戻る過酷な状況となります。


失踪した水谷貢少年、その姉が刑事となり釧路へ戻って来て捜査に当り遭遇したあるサラリーマンの殺人事件、それは長田キクと大きな関連性を持ち、日本へ戻ってからの苛酷な日々を交互にストーリは、意外な結末へ進んでゆきます。


貢少年のお姉さんの比呂は、事件の後両親が離婚し、弟の事がどうにも胸につかえていました。


当時、事件を担当した片桐刑事と同僚になり、青い目をコンタクトで隠して死んでいったサラリーマンの事件は、長田キクさんや貢少年の同級生だった純と複雑に絡み合い、今のご時世と数十年昔の時代格差を感じつつ、でも人間の本性って変わらないと言うか、無限なんだなあって溜息をつきたくなります。


人々は、進化しているようで、生きると言う究極の事実に目を背けている所がある気がしてならりません。


北海道に限らず、女性の強さには改めて感服します。それは、母であり、果たさなければならない目前の事を果たす力があるからなのだろう!人の目を気にせずに、家族を養い生きて行かなければならない強さなんだろう!


誰しも色んな葛藤を抱え、人に言えない辛さを抱えているのは、年を重ねるにつけ感じ、それをどう乗り越え、或いは解決してゆくかでその人となりは格段の格差を映じますよね。


素敵に年を重ねると言う言葉に憧れを感じながら、それに殉じた生き方が出来ていない事に不安を感じながら。。。


蛇足になりますが、桜木さんは釧路出身で、図書館の講演も何度もなさっていらっしゃるのですが、この本には彼女のサインがありました。


紫と言う字は、私の名前にの中の一字で、こう言う書き方もあり、その文字は彼女らしい強さとしゃれっ気があって好きでした。


釧路と言う町の情緒をうまく表現した作品で、私も作中の邸宅や人のモデルを思い浮かべる事が出来ました。


色んな人生があります。釧路の炉端の炉端の焼き方専門のおばちゃんは、釧路の名物でTVにも出演なさり、旅も一緒にしましたが、看護婦から炉端の焼き方へ廻り、順風漫歩なように見えましたが、最期は触れたくありません。


神様が、人それぞれに与えた寿命を精一杯自分らしく生きて行きましょう!!!

ニックネーム: アーミー 投稿日:2015/10/12

哀しい悪女たち

北海道の釧路市。
1992年の夏、一人の少年が失踪した。
懸命な捜査にも関わらず、少年の行方はしれず、
「谷地眼」という、
湿地に潜む落とし穴にはまり込んだものとされていた。

2009年春
少年の姉比呂は、腕利きの女性刑事となって故郷に赴任した。
さっそく出くわした事件は、
釧路湿原で発見されたサラリーマンの他殺だった。
このサラリーマン、鈴木洋介は、「青い目」をもつ日本だった。
彼の生まれながらに持っていた「青い目」が
彼の両親との不和を生み、家庭崩壊へと導く。
彼の母親鈴木ゆりは、自分の生みの親に捨てられ、
育てに親に死に別れと、とても家族運のない女だった。
もちろん、鈴木ゆりの出生もよくわからず、
鈴木洋介は、自分の母ゆりのルーツをたどっていくうちに
悲劇を招いたものと思われた。

比呂を主人公とする現代の物語と平行するように、
1945年8月に南樺太をロシアが攻め入った話が出てくる。
こちらの主人公は、長部キク。
空襲で自宅をやかれ、家族を失い、
従兄弟と逃げる途中、ロシアの脱走兵と一緒に行動するようになる。

このキクが60年以上もの時間をこえて
現代の事件に深くかかわっているのだが、
物語は、推理小説のようでいながら、
淡々と、歴史史実を読むように、進められていた。

戦後のどたばたした時代に
女が1人、どうやって生き延びるのか。
考えてみれば答えはすぐにわかるだろう。
絶対に人には知られたく秘密も
多かれ少なかれ、ほとんどの人が持っていたことだろう。
それを暴こうとしたのが、鈴木洋介だったのだ。

自分のルーツを知ることで
深い深い歴史の封印をこじ開けて悲劇を招く、哀しい運命。
少年が行方不明になったことを伏線にして、
どうしようもなく、時の流れにながされながらも
たくましく生きる人々を描いていたと思う。

釧路平野にはこのような湿原地帯が多いのだろか。
不謹慎かもしれないが、一度見てみたいと思った。

ニックネーム: Free Style 投稿日:2015/04/27

名前がない悲しみ

シーさんの桜木さんのレポを読んで
読んでみたいと思っていた作家さんです。
図書館で借りれたのが唯一この本だったのですが
いい出会いができました。


小学4年の水谷貢君が、午後7時を過ぎても家に戻らず
両親は捜索願を出します。釧路署生活安全課に刑事として
配属され三か月、33歳の片桐周平は家族からと
貢の1番の友達、純から当日の貢の行動の聴取を取り
行先は雪里湿原と判明しますが、湿原には谷地眼という
壺型をした落とし穴のようなものがところどころにあり
深いものでは人や牛馬をも飲み込んでしまうほど


失踪した貢が穴の底に漂っているのは、誰の脳裏にも
浮かび上がる結末でした。


時は変わり、1945年、南樺太ではソ連軍の容赦ない焼夷弾と
機銃掃が街を焼いていた。長部キクは緊急疎開で家を出る直前に
母と妹を亡くしてしまう、樺太を脱出する引き揚げ船の
ある街まで長く険しい道のりをひたすら進んでいく。


貢の失踪から17年後、貢の姉の比呂は30歳
釧路方面本部の刑事になっていました。
貢の行方不明を受け止めれず今だに墓石に貢の名前を
刻まれずにいる。そして弟の親友だった純は釧路で
炉端焼きの店を構え交流は続いてた。


比呂の父親は今、何をしているのか分からない
母の凛子は助産院を開いて新しい命と向き合っている
貢が行方不明になってから、家族は壊れてしまった
どんな強固に見える関係も決して永遠ではないことを
知った比呂は自分の素性を明かさず付き合えるような
男としか関係することが出来なくなっていました。


事件は釧路川と阿歴内川が合流する場所で
札幌の自動車販売員、鈴木洋介の絞殺死体が発見されます
比呂と組むのは貢の失踪の時、家族の事情聴取をした片桐。


鈴木洋介には両目がきれいなブルーをしているという
身体的特徴があったが、その瞳のせいで母親は父親に疑われ
家庭は崩壊。洋介が生きてきた日々が容易ではなかったことは
洋介が「どんな人間関係だって目の色ひとつで簡単に壊れる」と
言った言葉が物語っています。


カラーコンタクトレンズを手に入れて彼は新しい世界を
手に入れますが、母親が死の間際に遺した言葉が
洋介をつき動かすことになります。


「どうして生まれてきたのか分かればいい」
誰よりも母親を信じていた洋介の行動はこれから始まる
長い、年月の物語の幕開けとなります。


洋介が調べたであろう自分のルーツを今度は比呂と片桐が
なぞっていきます。


現代の事件を追う比呂と片桐、1945年から
長部キクが歩んできた人生が交互に語られ1本の道へ
繋がっていきますが、そう繋がってくるか・・・という感じです
事件は比呂と片桐のずっと遠くにある過去にまで繋がっていて
壮大な物語となっていました。


ある者は自分が背負った罪にケリをつけるため
ある者は自分のルーツにケリをつけるため
誰もが懸命に生きてきた月日は情感豊かで
ゆっくりした時の流れを感じ、みなが背負ってきた
ものの重さが少しずつ自分の中にも積もっていくような感じでした。
谷地眼にはまったのは貢だけではなかったと思わずにはいられません。



情景描写も上手くて湿原の風景やワタスゲ畑など
北海道の雄大な風景を堪能できました。
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