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本 バウッダ 仏教

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本-バウッダ 仏教
著者: 中村元 (著)
三枝充悳 (著)
定価 ¥1,566(税込)
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商品情報

出版社名
講談社
シリーズ名
講談社学術文庫 1973
発行年月
2009年 12月
ISBNコード
9784062919739
版型
--
ページ数
509P
平均評価
(4)
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ブクレポ
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内容紹介

バウッダ―サンスクリット語で「仏の教えを信奉する人」の意である。
二千五百年におよぶ歴史の中で、誤解と偏見に満ちた教学により誤伝されてきた釈尊の思想の壮大な全貌と、初期仏教の発生から大乗仏教、密教へと展開する過程を、膨大な経典群から探究。
単なる宗教の枠を超え、思想としての仏教の実像を鮮やかに描き出した、日本仏教学の達成。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

目次

第1部 三宝―全仏教の基本(仏教徒の標識「三宝」/仏/法/僧)/第2部 阿含経典―釈尊の教え(阿含経とは何か/阿含経のテクスト/阿含経の思想)/第3部 大乗経典―諸仏・諸菩薩の教え(大乗仏教の成立/菩薩/大乗経論とその思想)/第4部 「宗教」と「哲学」の意義/第5部 経典読誦のすすめ(三帰依文/般若心経)

著者情報

三枝 充悳
1923年生まれ。東京大学文学部哲学科卒業後、ミュンヘン大学に留学、Ph.D.を受ける。筑波大学教授、日本大学教授などを歴任。専攻は宗教哲学・仏教学・比較思想。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
中村 元
1912~1999。東京大学印度哲学梵文学科卒業。インド哲学者、仏教学者。東京大学名誉教授、日本学士院会員。専攻はインド哲学・仏教学。勲一等瑞宝章、文化勲章、紫綬褒章受章

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: ランピアン 投稿日:2013/07/29

真の仏教とは

一応は日本人であるから、幼時より葬儀やら法事でお経を聞いて育ったわけだが、むろん経文の意味など理解できるはずもなく、要するに「清く正しく生きなさい」という教えを表現を変えて繰り返しているだけだろうと、勝手に思い込んでいた。佛教が西洋哲学をも凌駕する高度な思想体系であると知ったのは、情けないことに大学入学後である。時あたかも、袴谷憲昭が「本覚思想は佛教に非ず」と喝破し、斯界に波紋を広げていた。その激越な批判の射程は既成の佛教宗派に止まらず、当時の流行思想であったニュー・アカデミズムにまで届いているらしいと知り、それまで縁のなかった佛教(ただし思想としてのだが)に俄然興味が湧いたのである。論書を読めるようになりたいと思ったが、一体何から手を付ければいいのかわからない。キリスト教と違い、仏教には「THE BOOK」、すなわち唯一無二の聖典がないからだ。上座部と大乗とに分かれ、しかも大乗内部でもおびただしい数の宗派に分裂し、厖大な経典類を有するこの宗教の全体像を、視野に収めるのは容易ではない。無学な若造にとっては尚更であった。渡辺照宏の『仏教』『日本の仏教』などから読み始めたが、どれもピンとこず、しばらくはこのテーマから遠ざからざるを得なかった。自分なりの見通しを得られたように思ったのは、優れた概説書である三枝充悳の『インド仏教思想史』を読んでからである。私が長年の蒙を一挙に啓かれたのは、同書の論述がいわゆる「大乗非仏説論」に立脚していたためだった。読んで字のごとく、大乗仏教の教説は仏説、すなわち釈迦の教えとは無関係だと主張するこの説は、日本でも江戸期の天才的思想史家である富永仲基が唱えたことで知られるが、今日まで日本の仏教界で正面から論じられることは稀である。当然であろう。北伝と呼ばれる経路で日本に到達したのは大乗仏教であり、以来この国の仏教者たちは、日本が「大乗相応の地」であると自負してきた。著名な大宗派はことごとく大乗の教えを奉じており、大乗の教説が釈迦の金口直説(仏陀の口から直接に説かれた教え)でないなどと認めるわけにはいかないのだろう。信仰者ならばそれでもよかろう。だが学問として、また一個の思想としての仏教を理解しようとする者は、必ず一度は大乗非仏説論の立場から仏教史を俯瞰してみる必要がある。虚心坦懐に歴史を眺めるならば、大乗仏教が仏陀の直接の教えではないことは紛れもない事実であり、それを認めない限り、仏教理解の要諦となる初期仏教と大乗仏教との錯綜した関係を理解することができないからである。仏陀がその偉大な生涯をクシナガラで終えてまもなく、釈迦十大弟子の一人である大迦葉は、釈尊の教説を正確に後世に残すため、王舎城の郊外に集まった高弟たちに彼らが記憶する仏陀の言行を申述させ、内容について討議を加えた上でこれを集成した。いわゆる「第一結集」である。その後、数度にわたる結集を経て、仏教史上初となる経典群が形を現した。この阿含経典(アーガマ文献)こそ、仏陀の教説を直接今日に伝える唯一の経典群である(岩波文庫所収の『ブッダのことば』(スッタニパータ)』や『ブッダの真理のことば(ダンマパダ)』は、阿含経典パーリ語テクストの「小部」から訳出された経文である)。これらの阿含経典は、スリランカを経て東南アジアに広まった、いわゆる南伝仏教では聖典とされている一方で、上述のとおり大乗仏教を受容した日本においては、南伝仏教を「小乗仏教」と呼んで侮ってきたこともあり、その存在は長く黙殺され続けてきた。江戸期の天才児富永仲基は、その著『出定後語』において、大乗経典を釈尊の直説とする日本仏教諸宗派の謬説を強く批判したが、阿含経典を「小乗のお経」として軽視する風潮は、今日まで止むことなく続いている。だが、釈迦の入滅後数百年を経てから成立した大乗経典を彼の直説だとする日本仏教界の立場には、どう考えても無理がある。仏教とは、何よりも釈迦の教説を奉ずることである以上、釈迦の言行を原形に近い姿で伝える阿含経典が重視さるべきなのは、理の当然ではないだろうか。本書は、前出の三枝充悳が、原始仏教の泰斗中村元を共著者に迎えて執筆した仏教概説書である。五部構成で、中村による第二部がまるまる阿含経典の解説に割かれていることからもわかるように、本書の叙述は基本的に大乗非仏説論の立場に立っている。中村は、第一部で仏教教義の基本中の基本というべき「三宝」について説明した後、第二部「阿含経典」において、仏教成立の時代背景から、釈迦の登場を経て阿含経典が成立する過程、そしてその基本的思想についても詳細な解説を加えている。その記述の充実ぶりは一般的な概説書の遠く及ぶところではなく、宗派の如何を問わず、およそ仏教を学ぶ者にとって必読であろう。そしてそれを承けた第三部「大乗仏典」では、三枝が大乗経典の成立と発展から、代表的な大乗の教義や思想的立場、すなわち般若、維摩、華厳、浄土の各経典から、如来蔵、唯識、密教の各思想について、簡潔かつ的確に解説している。叙述に緊張感が溢れているのは、絶えず大乗経典と阿含経典との関係が念頭に置かれているからであろう。特筆すべきは、大乗仏教における「菩薩」の重要な地位についてかなりの紙幅が割かれていることだ。仏教を世人にとって分かりにくいものとしているのが、「如来」、「菩薩」、「天」といった多様な人(神)格の登場であるが、なぜ大乗仏教が「仏となることが既に確定していて、しかしまだ仏とならない修行者」である菩薩の存在を重視するのか。私も本書を読んで目から鱗が落ちた記憶がある。かように本書は、概説書とは言い条最新の学問的知見も盛り込んだ、中級者には格好の仏教入門書となっており、本書を読めば仏教史を一通り見渡すことができるようになるはずだ。ただし、仏教についての最低限の知識を有する読者を前提としているので、文字通りの初心者は、新書や文庫の入門書を幾冊か読んでから本書に当たるべきであろう。個人的に興味深かったのは、中村による第四部「『宗教』と『哲学』の意義」であった。超越神を教義の前提としない、すなわち人間ガウタマ・シッダールタによって説かれた教説である仏教は、果たして宗教なのか哲学なのか。私も菲才を省みず考えてきた問題だが、中村はこの点について、東洋における伝統的な「宗教」の定義が、西洋でいう哲学と截然と区別できないものであったことを指摘している。なるほどそれならば、絶対神を戴かない仏教が「宗教」と呼ばれてきたことに矛盾はないわけだ。だが、この回答では私の年来の疑問は氷解しない。仏教が一個の思想体系として哲学と区別できないならば、その教義に絶対性は附与されまい。ブッダが人間ガウタマ・シッダールタに過ぎない以上、その教説は例えばマルクスやホッブスの哲学と同じく相対的だということになるが、仏教者はそれでいいのだろうか。いわんや宗教を阿片に譬えたマルクスの思想と、仏陀の説いた真理とを同格に置くことに、仏教者は何の躊躇も感じないのだろうか。マルクスを選ぶか釈迦を選ぶかは、それを受け取る人間の嗜好の問題に過ぎないのだろうか。私には依然としてわからない。
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