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本 罪の声

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本-罪の声
著者: 塩田武士 (著)
定価 ¥1,782(税込)
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商品情報

出版社名
講談社
発行年月
2016年 08月
ISBNコード
9784062199834
版型
--
ページ数
409P
平均評価
(4)
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ブクレポ
2件

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塩田武士 OFF

内容紹介

京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。
ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。
テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。
それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった―。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: こたろう 投稿日:2017/08/04

事件の内容を徐々に思い出しました。

まーちさんが好意的なレポを書かれています。それもあって読みたいと思っていたのですが、貸し出しの順で今になりました。
事件とは昭和59年、60年に世間を騒がせた「グリコ・森永事件」です。
思い出しました、とタイトルにしたのはそんな事件があったことは当然覚えていても、詳細はかなりの部分私の中で消え去っていたからです。
毎年、大げさに言えば毎日のように起こる重大な事件に慣らされてしまうというか、感性が鈍くなってしまい、長い間記憶を保っていられない、というのが現実であるように思います。


「罪の声」とは事件とは何の関係もなさそうに思えた京都で洋服の仕立てのお店を営む男性が、父の遺品の中から気になる品、黒川のノートとカセットテープを見つけることからはじまります。
録音されていたのは自分の声で、事件に使われたのと同じ内容の脅迫文を読み上げたものでした。実際に使われたのか、事件に父が関与していたのか、疑問に思い調べだすことから物語ははじまります。


同時進行で阿久津という新聞記者が特集として事件を扱うことになり、取材をはじめますが当然のことながらなかなか真相にはたどり着けません。
それが取材を重ねた一人から思いがけない資料の提供をうけて一転します。


作者が想像力で作り上げた事件の真相とそれに関わり、当時子供だった関係者を想ってえがいた真相とそこへたどり着く過程はなかなか重厚で読みごたえがあります。


おぼろげに思い出してきた「グリコ・森永事件」は頻繁に取引を持ち掛け、マスコミも巻き込んで挑発するわりに実効、金銭の受け取りがうまくいかず、エスカレートしたまま集結し、未解決に終わったと記憶するのですが、その不透明さを一枚一枚ヴェールをはぐように迫っていく阿久津の取材の粘りが読むものをひき込み、身内が犯人ではと心配しながら探っていく曽根の心情にも寄り添って読むようになります。


時効とはいえ事件は新聞記者と関係者の甥のおかげで明るみに出るのですが、それはもちろん作者が作ったフィクションで、そう思って全貌を思い返すと逆に実際はどうだったのだろうと、疑問というか興味がわきます。


長い時間を未解決の事件に賭けて没頭された警察の方もたくさんいらっしゃったと思いますが、もしかしたらほとんどは引退され、何人かは鬼籍に入られたのかも、と思います。
本書を読んだとしたら、その関係者はどんな想いを抱かれるだろう、などと要らぬことを考えました。


よくできた作品で想いの深さ、強さも感じたのですが、所詮といえば失礼ですが作り物で真実、真相はどうだったのかと、そのほうがかえって知りたくなる作品でした。
実際の事件でテープに声を吹き込んだ方はまだどこかで生きているのだろうな、と。

ニックネーム: まーち 投稿日:2016/09/07

塩田版 グリコ・森永事件から31年後の物語

この作品は、巻末で、著者自身が書かれている通り、「グリコ・森永事件」を題材にした作品である。作品内で語られる事件は、固有名詞だけ架空のものになっているだけで、事件の内容そのものは、ほぼ、忠実に再現されている。被害に遭った会社名は、「ギンガ」「又一食品」「萬堂製菓」「ホープ食品」「鳩屋」「摂津屋」となっているが、どこの会社かは、すぐに想像がつく。事件名は、「ギンガ」と「萬堂」から、「ギン萬事件」、そして、犯人グループは、「くら魔天狗」である。


さて、作品の内容だが、京都で、テーラーを営む曽根俊也が、入院中の母親に頼まれて、探し物をしている時に、父親の遺品の中から、黒皮のノートとカセットテープを発見するところから始まる。
テープを再生してみると、そこには、幼い頃の自分の声が録音されていた。しかし、何のことやら、全くわからなかった。そして、英文ばかりで、意味のわからないノートをめくってみると、「ギンガ」と「萬堂」という文字を見つけたのである。俊也は、自分が幼少の頃に起きた事件を思い出し、ネットで検索してみた。その結果、あるドキュメンタリー番組にたどり着き、恐喝に使われた男児の声が流れたのである。それはまさしく、彼が見つけたカセットテープに録音されていたものと、同じだったのである。


一方、大日新聞文化部の記者である阿久津は、年末企画として、「ギン萬事件」を特集することになり、その取材を担当することになる。


こうして、俊也は、自分の父親が、事件に関係していたのかを明らかにするため(実際にかかわっていたのは、伯父だったのだが)、阿久津は、特集のために、それぞれの伝手を頼ったりしながら、事件を調べ始めたのである。それは、本当に地道な調査だったのだが、やがて、それぞれが、有力な手がかりにたどり着いたのだ。
しかし、俊也は、ある人物にたどり着いた時、それ以上調べるべきではないと思い、調査をうちきった。ところが、ちょうどその頃、阿久津が、俊也の存在を知ってしまったのである。阿久津と俊也は対面することになり、さらに阿久津は、犯人の一人も見つけ出したのだった・・・


この作品を読むと、忘れかけていた事件の記憶がよみがえるとともに、私たちが、報道を通じて知り得た事実の裏で、こんなこともあったのかということが沢山あった。まぁ、事件に関する本を読んだり、ドキュメンタリー番組を観たりすれば、それらについても知ることができたのかもしれないが。


この作品のいい所は、ただ単に、31年前の事件を検証し、著者なりの事件の真相を描くというものではなく、俊也と同様に、事件に巻き込まれた子どもたちの、その後の人生にスポットを当てていることである。
阿久津は、最初は、犯人捜しを目的として取材を進めていたが、やがて、未解決事件だからこそ、今、そして未来につながる記事が必要だと気付く。


作品の冒頭で、俊也が、ノートとカセットを発見するのだが、そんな大事なものを、簡単に見つかる場所にしまっておくものなのかと思いながら読んでいたのだが、ラストで、それにも重要な意味があったことがわかる。


単なるノンフィクション風の小説ではなく、事件にかかわってしまった人たちの想いを丁寧に描いた、最初から最後まで、読みごたえのある作品だった。
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