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本 ガラスの城の記録

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本-ガラスの城の記録
著者: 手塚治虫 (著)
定価 ¥608(税込)
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商品情報

出版社名
講談社
シリーズ名
手塚治虫漫画全集
発行年月
1993年 08月
ISBNコード
9784061759220
版型
--
ページ数
--
平均評価
(3)
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ブクレポ
1件

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手塚治虫 OFF

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: ムーミン2号 投稿日:2017/07/01

if のハナシ

手塚治虫漫画全集第322巻


322巻目、ということは、初期の300巻全集を手塚さんが編んだ時には選に漏れていた作品、ということだろう。
理由その1は<未完>ということ。(理由その2以降はよくわんない)
1970.1.22日号~4.23日号まで「現代コミック」に連載され、掲載誌休刊の憂き目に遭い、続いて自らが立ち上げた「COMコミック」に1972.12.22日号~1973.2.23日号まで連載するもこちらも廃刊。そのままとなった作品。対象は青年。


青年誌に連載される手塚作品は、厳しい設定のものがほとんどで、この作品もその例に漏れない。
『陽だまりの樹』『きりひと讃歌』『人間昆虫記』『奇子』などをレポしてきたが、最初にそれらに接した時は慄いてしまうほどのものがある。
未レポの作品でもそれは共通しているし、少年誌に掲載されたものだって、甘いものなどない。
何を手塚さんがこれらの作品のベースにしているか、を考えれば「人間の業」ということになるのかも知れないが、それはそれぞれの作品を読んで、それぞれに感じていくものなのだろうか?


ということで、この作品も厳しい。
“冷凍睡眠”が開発・実用化され、札貫札蔵という実業家は管理人の四男(四郎)を残して20年の冷凍睡眠に入る。そしてそれが明けた1992年が舞台だが、この時には既に冷凍睡眠禁止法が施行されている。即ち冷凍睡眠は危険ということが分かったのだ。
何が危険かというと、睡眠明けの当人物の人格が壊れてしまうこと。
事実、札蔵は四郎の娘・真理をスケベな目で見ては追いかける始末。何度あなたの孫だと説明して、わかったと納得しようが同じ行動を繰り返す。
それだけではないことは、冷凍睡眠から覚めた長男の一郎(この物語の主人公)の異常な行動からも明らかとなる。
四郎の娘・真理と関係を持つ(近親相姦)、父親はじめ、四郎も殺して平気でいる。
この冷凍睡眠の異常さはそれだけではない。
四男が40過ぎの人間であるのに対し、長男は20歳そこそこの青年である。母親が18のまま睡眠したその娘は20になっており、年齢的にも、もちろん見た目にもパラドックスを引き起こしている。


一方、社会も20年前とは大きく変化している。
それが「殺人法」で、死刑がなくなった代わりに、殺人犯は野に放たれ、一般市民はその殺人犯を殺しても罪に問われない、という社会になってしまっている。
作中何度もセリフで出てくるのは、かつては戦争で人間が殺し合い、勝てば大量殺戮も称賛されていたのに、今やそれが無くなり、上記のような形で人間の闇の欲望を満たしている、というものだ。
チャップリンが『殺人狂時代』で描いたことを踏襲しているのだろうが、更にそれを推し進めて、殺人が(限定条件付きで)公に認められている社会になってしまっている。
これも恐ろしい。
加えてこの作品を更に複雑にし、同時に増幅させているのが“ヒルン”という登場人物(女性)で、彼女は二千年前にカプセルに入れられ、海底で眠っているところを発見されたのだが、古代のいわゆる娼婦として育てられており、一郎を求めて止まないし、彼のためなら殺人も平気で犯す。
なお、ここでヒルンがなぜ二千年も保存され、しかも生き返ったのかの説明はない。


「殺人法」では殺人犯が10年生き延びれば無罪放免となるのだが、ここで、政府から国務大臣の市ケ谷という男が一郎に接触してくる。
ある場所の「ガラスの城」に当時の政府関係者・黒幕・財界人などが100人眠っている、彼らを亡きものにしてほしい、という依頼。冷凍睡眠が人格障害を起こすことが明らかなので、彼らを復活させる意味がない。毒を以て毒を制す、というわけで一郎ならやれるだろう。条件は海外逃亡を援ける、というもの。
一郎が引き受けガラスの城にヒルンとともに攻撃を仕掛けるところで終わってしまう。


そこまでの200ページほどは、いわば序章のようなもので、これから本章へはいろうかというところで中断されている。完成されていたら、相当な問題作となっていただろうことは想像に難くないが、それは if の話。
ただ、序章っぽいとは言え、ここまででも良心の呵責なしに同胞を殺してしまう人間の在り様だとか、いやそもそも良心とは何なんだ? というような、もともと抱えているであろう人間の「闇」を思い知らされ、それが我が身にないなどと言えはしないことに更に慄きを感じるものである。


同じ冷凍睡眠を扱ったものとして手塚作品で思い出されるのは、ブラックジャックのエピソード「未来への贈り物」だが、こちらはハートウォーミングな物語だった。
それを読んで、荒れた心を癒すとしようか…。
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