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本 ラプラスの魔女

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本-ラプラスの魔女
著者: 東野圭吾 (著)
定価 ¥1,814(税込)
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商品情報

出版社名
KADOKAWA
発行年月
2015年 05月
ISBNコード
9784041029893
版型
--
ページ数
452P
平均評価
(4)
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ブクレポ
5件

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東野圭吾 OFF

内容紹介

彼女は計算して奇跡を起こす。
東野圭吾が小説の常識をくつがえして挑んだ、空想科学ミステリ。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: こたろう 投稿日:2017/10/21

何が壊れたのかな?

久しぶりにというか、東野さんどちらかと言えば敬遠していたのですが、気まぐれで手にしてみました。
「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。
そしたらこんな作品ができました。」
というのがキャッチコピーに使われています。。
作家デビュー三十周年で八十作品目の記念すべき物語は空想科学ミステリーです。


ラプラスという聞きなれない人名の使い方や、謎めいた行動、それも普通の予知や予測の範囲を超えた超能力的とも思える行動を見せる謎めいた若い女性、羽原円華の存在感が際立っていて、その周辺にちりばめられた伏線がやがて奇想天外な殺人事件を解明していきます。


竜巻で母親を亡くす場面が冒頭におかれ、その後温泉地でガス中毒で事故死をする男性が出てきて、事件性を疑う刑事と調査を依頼された大学教授がその真相を折っていくうちに、二件異なる温泉で起きた水素化合物のガスによる死亡事故が実は殺人事件、それも常人には不可能な計算されつくした連続殺人事件ではないか、と真相を解明できないままに勘で捜査をつづけ、やがて八年前の映画監督の家族を巻き込んだ中毒事件に突き当たります。


主人公が見当たらない、語り手が変わっていく物語で、円華の警護にやとわれた元警察官の視点だったり、青江という大学教授であったり、はたまた第一の事故(実は遺産目当ての殺人依頼だったのですが)を仕組んだ若き未亡人の視点から描かれたりといそがしいです。


そして八年前の中毒事故のせいで植物人間状態になってしまった映画監督の息子があらわれます。
監督、つまり父親が綴った看護のブログが紹介され、その後実際に調べていくと奇妙な違いが目立ってきて、その映画監督の特異性が浮かび上がってくるという手の込んだ仕掛けになっていきます。


見どころは円華が見せる予知の場面なのですが、それが似非科学的な説明なのになんとなく信じ込まされてしまうところが東野さんの上手なところでしょう。


タイトルの使われた「ラプラス」もどこから探してきたのかなと思えてしまう、上手い設定です。
1700年代の科学者であるラプラスは、
「現在におけるすべての条件が解れば、後は簡単、法則に当てはめるだけで未来は予知することが出来る」と豪語した、とあり、それが超常的な予知能力の説明になっているわけです。


肝心な元の事件、甘粕才生という男の異常な性格が引き起こした偽装中毒事件という設定がそもそも納得がいかないというか、情のない性格という設定を良しとするかどうかだと思います。


そしてありがちな最後の一言、人類の明日を予言するようなそれも予想の範囲内でした。
東野圭吾の小説作品の何がぶっ壊れたのか、わからないままに読了です。
少し物足りない印象が残りました。

ニックネーム: 3ki 投稿日:2015/10/14

魂は物理法則に従うのか

たまたま帰省先で祖父を迎えに出た母娘を竜巻が襲う。
娘は長じて天気を読み、水の流れを読み、人の見えない先を見るようになった。


赤熊温泉で、とある男性大物プロデューサーが火山性のガスにより中毒死した。
大物プロデュサーには、40才以上年の若い妻がおり、また、資産家でもある。彼の遺産目当ての殺人を不安がる手紙が、以前、大物プロデューサーの母から来ていたこともあり、警察は遺産目当ての殺人を疑うが、事件性は状況証拠からないと判断された。
その温泉調査に呼ばれた専門家の青江は、不思議な少女を目撃する。
また、調査結果でも、致死性のガス発生が確認される場所は一般道にはなく、事故としても、突発的な、非常にまれな条件が重なった上でのものとしか考えられない。
そうした中、少女がある男性を探していたと耳にする。


別の温泉では、売れない俳優が火山性のガスにより中毒死した。その事故にも調査依頼をされた青江は、同じ少女に出会う。その少女と関わりを持つうちに、特殊な能力と特別な事情が背景にあることが次第に明らかになっていく……。


それぞれの関連性は、想像しやすいつながり、「羽原円華」という、一般的ではない名前から、わかりやすく示唆され、ミステリという点では非常に単純に作られている。
しかし、この作品のキモは、現代科学の最先端を扱ったもの、自然災害大国日本の課題と、人類の飽くなき興味の向かう先の一つをあつかったものだというところにある。


そして、「ラプラス」ということで示されているように、すべての物理法則を理解し予測することによって、近未来、未来を予測する。現代のシミュレーションでも災害予測は不確定だが、法則が分かりさえすれば、すべては物理法則に従うので、予測可能なはずだとして。
すべてが物理法則で計算できたとき、唯一の不確定要素として、人の魂がのこるのか、それとも、人体という物理法則をも解明し、魂は、人の心は、物理法則によって計算されるのか。
できるようになったとしても、そんな計算機は持ちたくない。

ニックネーム: アーミー 投稿日:2015/07/17

魔女は計算して奇蹟を起こす!

この作品の冒頭では、
羽原円華という少女が
北海道で竜巻に巻きこまれて母を亡くすという不幸に見舞われる。
このプロローグがどう事件と結びついていくのか・・・
そして数学者の名前だというタイトルの「ラプラス」が示すものは・・・

温泉地でのガス中毒死事件が起こると
連鎖反応のように小さな事件が起こりだした。
全ては完璧主義のある男のエゴから始まったものだった。

医師である円華の父の患者だった少年、甘粕謙人。
ガス中毒から植物人間状態に陥り、
円華の父の脳の手術で奇蹟的な復帰を成し遂げた。
彼の秘密に気が付いた円華は、謙人と同じように、
空気の流れや天候さえも恐るべき計算力で予測ができるという、
特殊な能力(数学者ラプラスの物理的公式)を身に付けるために
自ら父の手がける脳手術を受ける。

まるで魔女のように
近い将来のことを予測できるようになった円華は、
謙人が密かに計画している復讐を止めるために行動を起こす・・・。

予知能力や自然現象も物理法則にのっとって見事に解明されている。
さすがは、数学や物理に強い理系の作家、東野圭吾さん!!
竜巻という自然現象がキーワードのように思い、
勝手に「オズの魔法使い」のような
明るい魔女の話を想像していたのだが、
実際はもっと切実に現代社会の人間性を考えさせられるものだった。

「残虐な凶悪犯というのは、大なり小なり、
その種の欠陥を脳に抱えているというのが私の考えです」(羽原医師)

「…一見何の変哲もなく価値もなさそうな人々こそが重要な構成要素だ。
人間は原子だ。一つ一つは凡庸で、無自覚に生きているだけだとしても、
集合体となった時、劇的な物理法則を実現していく。
この世に存在意識のない個体などない。ただの一つとして」(甘粕謙人)

それぞれ、含みのあるセリフだと思う。
けれどやはり一番印象深いのは、
この世界の未来は一体どうなっていくのか・・・、という問いかけに対する
ラストの円華のセリフ。
「それはね、知らない方がきっと幸せだよ」

これは、人類の行く末までも全て知っているかのような、
恐るべき魔女のセリフである。

ニックネーム: まーち 投稿日:2015/05/27

『ラプラス』は、数学者の名前で・・・

作品のタイトルにもなっている『ラプラス』とは、ポケモンではなく(あたりまえだが)、数学者の名前らしい。

“もし、この世に存在するすべての原子の現在位置と運動量を把握する知性が存在するならば、その存在は、物理学を用いることでこれらの原子の時間的変化を計算できるだろうから、未来の状態がどうなるかを完全に予知できる”


その存在のことは後年、「ラプラスの悪魔」と呼ばれるようになったそうである。





最初の事件は、赤熊温泉で起きる。山道で、映像プロデューサーの水城が、火山ガスが原因と思われる、○○水素中毒で死亡したのである。そこは、今まで、○○水素が発生したことなどない場所だったのだが、温泉地ということで、不幸な事故死として処理されてしまった。


ところが、その事故の記事に、驚きを隠せない人物がいた。中岡という刑事は、水城が亡くなる以前に、彼の母親から、息子が嫁に殺されると訴えた手紙を受け取っていたのである。親子以上に年の離れた嫁は、財産目当てで結婚し、多額の保険金まで掛けているというのだ。一応、話は聞いたものの、警察としては、特に何もすることはなかった。
そんなことがあっての、今回の事故(?)である。中岡は、妻による殺人を疑うが、地球科学が専門の学者・青江に、屋外で○○水素で人を殺すのは不可能であると否定される。しかし、中岡に、さまざまな可能性について質問された青江は、自分の説は、本当に正しいのか気になり始める。こうして中岡と青江は、想像を絶する事件に巻き込まれることになったのである。


そんな中、苫手温泉で、俳優・那須野五郎が、火山ガスが原因と思われる、○○水素中毒で亡くなるという事故(?)が発生する。今回も、水城の時と同じような状況で、やはり、事故死として処理された。ところが、事故現場を訪れた青江は、一人の少女を目撃する。実は、青江は、赤熊の事故現場付近でも、その少女を目撃していたのである。その少女・羽原円華(うはらまどか)は、ある青年を捜しているという。その青年は、赤熊温泉でも目撃されていたのだ。これらのことから、青江は、二つの事故は、偶然によるものではなかったという思いを強くする。


さらに青江は、亡くなった水城と那須野が、甘粕才生というい映画監督を間に挟んでつながっているということを発見する。そしてその甘粕は、娘を○○水素自殺によって喪い、さらに、その巻き添えで妻も喪い、生き残った息子は植物状態という過去があったのである。甘粕は、その過去について、ブログに書き残していたのだが、その内容は、なぜか、ほとんどでたらめであるということが明らかになっていく。彼は、なぜ、そのようなブログを書いたのか?


円華の父親は、天才脳科学者で、植物状態の甘粕の息子・謙人の、脳の手術をしていた。ところが、その手術の結果、謙人は、「ラプラスの悪魔」となるという、予想もしなかった事態が発生したのである。さらに、彼と知り合った円華も、自らすすんで「ラプラスの魔女」になるための、実験台となったのだ。それには、作品の冒頭で、竜巻によって母親を喪った過去が関係していた。そんな、「ラプラスの悪魔」という存在は、警察庁なども含む組織ぐるみで隠そうとされていたのだった。


二つの事故(?)と「ラプラスの悪魔」との関係とは?そして、事故(?)の真相とは?
何の関係もなさそうな人々が、徐々につながっていく展開は見事である。そして、甘粕のブログが、この作品の重要なポイントとなっている。


東野さんは、「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった」と語っていたようだが、その点については、「う~ん・・・」という感じではあるものの、いつも通りの面白さと安定感があるとともに、「家族」というものについても考えさせられる作品だった。






もしも、未来を予測することができたら?


「それはね、知らないほうがきっと幸せだよ」


という、円華の最後のせりふが心に残る。

ニックネーム: ほそきち 投稿日:2015/05/20

東野さんらしい一冊です。

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