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本 鹿の王 下

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本-鹿の王 下
著者: 上橋菜穂子 (著)
定価 ¥1,728(税込)
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商品情報

出版社名
KADOKAWA
発行年月
2014年 09月
ISBNコード
9784041018897
版型
127×188mm
ページ数
554P
平均評価
(4.5)
: 3件
: 2件
: 1件
: 0件
: 0件
ブクレポ
4件

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鹿の王 OFF
上橋菜穂子 OFF

この商品について

2015年本屋大賞 受賞作!

内容紹介

不思議な犬たちと出会ってから、その身に異変が起きていたヴァン。
何者かに攫われたユナを追うヴァンは、謎の病の背後にいた思いがけない存在と向き合うことになる。
同じ頃、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、医術師ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。
ヴァンとホッサル。
ふたりの男たちが、愛する人々を守るため、この地に生きる人々を救うために選んだ道は―!?

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

書籍一覧 > 鹿の王

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: アーミー 投稿日:2017/02/23

上橋ワールドからの帰還

上巻が終わり、いよいよ下巻へ。
不思議な犬たちと出会ってから
わが身におこる異変に驚き、恐怖すら感じていたヴァンですが、
やがてその恐怖の正体がわかり、
自分に任せられた運命の大きさにおののくことになります。

何者かにさらわれた養い子のユナを無事に救い出した時、
想像以上にユナが自分を慕ってくれていることに
ヴァンは気が付きました。
「独角」とよばれる孤独な戦士だったヴァンの心に
ユナへの温かな愛も芽生えました。
ユナの成長を見守りながら生きていければいいのに・・・。
ヴァンは思わず願います。
しかし、そんなささやかなヴァンの願いも
不思議な犬たちがまき散らす病気や
その背後に見え隠れする陰謀の黒幕は
黙って見過ごしてはくれませんでした。

やがて犬たちの人の世界への総攻撃が始まり、
ヴァンは最後の手段をつかいます。
二度と慣れ親しんだ者たちの前に帰らない決心で
犬たちを山奥深く、連れだしていきました。
人であることを捨て獣として生きて行こうとしたのです。
けれども
ヴァンと同じように犬に噛まれて九死に一生を得た幼いユナにも
不思議な力があり、ヴァンの存在はどこにいてもわかります。
ユナは同じようにヴァンを慕う仲間たちと
彼の後を追う旅に出たのです。

タイトルの「鹿の王」に込められた
鹿のエピソードは意味深いものでした。
真の勇者とは何だろう、真の勇気とはどうすることか
生きていくうえで
それぞれに課せられた役目を全うすることしか、
生を受けた意味がないのでしょうかねぇ。
ヴァンが生まれてきた意味とはああいうことだったのかと思うと、
何とも切なくて仕方がありません。
一筋の望みは、泣きながらも
決してあきらめず彼を追い求めるユナの存在でしょう。

ユナはヴァンに会えるのでしょうか。
ユナの成長とともに、その後の「鹿の王」を読みたくなりました。
上橋ワールドにどっぷり浸ってしまい、帰還するのが大変でした。
なんて不思議でリアリティあふれる世界を描き出す作家さんだろうと
改めて感心しました。

ニックネーム: hi2515 投稿日:2015/11/08

圧倒的なスケールと体の七不思議

上橋さんが、あとがきでおっしゃっているが、自分の身体ほどわからないものはないとは何と言い得ている。


どうやら、彼女と同世代の者としては、親の面倒をみる大変さや更年期の体調不良で五十の坂を越えれば、無理も利かなくなっているのに身体と精神のバランスの取り方に苦労する時があります。


そんな中で、3年もの歳月を費やして書かれたこの作品は、実は一度読んだだけでレポを書くのはおこがましい気がします。登場人物や地名等が複雑に絡み合い、スケールはどんどん広がりを見せ、その魅力は果てしなく広がります。


上巻で、アカファ岩塩鉱が襲われ生き残ったヴァンとユナは、助けたトマの家族と新しい絆を作って行きます。


ヴァンを慕うユナがとても可愛らしく、二人はまるで分身の様な繋がりが出来ています。


ユナが何者かに浚われ、ヴァンはユナを探す旅に出ますが、そこには支配に駆られる者と従属に反抗する者と復讐に腐心する者達の多くの思惑が重層に絡み合い、それは犬、狼、馬、飛鹿等の獣を操りながら戦を仕掛ける色んな種族が登場します。


独角の頭だったヴァン、火馬の民のかつての族長で今は犬の王と呼ばれるケノイ、その息子が火馬の民の族長となったオーファンと、その親類縁者の登場は、名前すら?が付きそうな数にのぼりますが、彼女の筆力は読者を圧倒的な世界から離しません。


一方、もう一人の主人公である医師のホッサルは、その従者や助手達と不思議な死病の解明に挑みますが、助手のミラルが感染してしまいます。


黒狼に襲われたヴァンやユナは、体に異変を感じ、それは鋭い嗅覚であったり、視力であったりと謎の病の背後には思わぬ媒体の存在があり、それは人の力で御しかね、ホッサルは大切な存在となっているミラルや人々を助ける為にその治療法を探し求めています。


体内に侵入した菌の働き、よく腸内の悪玉菌と善玉菌が話題に上りますが、身体の中はなんと不思議な世界なんでしょうか?


体力だけでは説明できない人それぞれが持った力や体内菌のバランスがあります。妙な例えですが、たばこを吸わない人が肺がんになったり、お酒を飲まない人が肝硬変になったりと世の中にはまだまだ解明出来ない謎にあふれていますよね。


国や種族を賭けての政治、権力、宗教、信念、忠義、名誉、欲等が渦巻いての争いや駆け引き、体内に宿る病原菌の変貌の中で、変わらぬものはやはり心だと思わせてくれます。


ヴァンを追っていたサエは、後追り狩人の中でも見事な腕を持つ女性だったのですが、いつしかヴァンと心を通わせるようになります。窮地を救うために火中の栗を拾うべく出かけたヴァンをユナは、その行き先を当然の様に追い求め、ユナはサエとも心を通わせるようになります。


<鹿の王>とは、我身を賭して、群れを守る鹿。もう若くもない、いい歳の牡が、まるで、目の前に迫った死を嘲笑い、己の命をほこるように跳ね上がり踊って見せ、群れを守ろうとする鹿を指すそうです。


ヴァン、ユナ、サエ、ヴァンに助けられたトマとその仲間や家族は信頼に支えられ、愛に満たされています。ホッサル、ミラルも自分と自分が愛する者の命を守る事に懸命な姿は爽快です。


それぞれが背負った使命を大切に受け止め、一途に生きて行く者は、人々にに感動を与え、生きる喜びを思い起こさせてくれる。


上巻を読んでしばらく時間が経ってしまいましたが、その感動にブレはない。又再読してみたいとても深みのある作品でした。

ニックネーム: こたろう 投稿日:2014/11/02

ミクロコスモスとマクロコスモス

上橋さんの壮大な構想をもとに書かれた物語はかなり複雑なストーリーとなっています。
舞台が異世界、架空の地であること、その土地、国の征服者と被征服者、そして小さな種族がそれぞれの利害と思惑、力関係のうえに表と裏で異なる顔を見せ、相手の顔色をうかがいながら密かに活動を続けていること。


追っ手であったサラがいつしかヴァンと心を通じ、寄り添うように行動していても、ふっと姿を消してどこかへ消えるのも、そんな裏の力関係のせいでしょう。


ヴァンはトマを通じて新たに結ばれた「家族」と幼子ユナとの生活を大切に想い、黒い狼に噛まれて己が身に生じた異変、嗅覚が異常に鋭くなり、黒い狼(後に黒狼病の病原菌をもった黒狼との合いの子の犬たちであることがわかりますが)たちと交感できるようになる自分、そん時魂が裏返るような体験を恐れ、また惹かれていきます。


ホッサルは黒狼病の研究と治療を続けるうちに、それが仕組まれた病であることに気付いていきます。
犬の王と呼ばれる男に率いられた病原菌をもった犬たちが統制をとって襲うことで、国情に異変を起こし転覆を図ろうとしていると。


そんなホッサルとヴァンは出会い、病のことや体の仕組み、それがひとつの世界、ミクロコスモスであること、病原菌も体内であるときは力を貸して宿主とともに生きるケースもあることを知ります。
一人一人の体はそれぞれが一個の宇宙のような拡がりをもち、国や種族に分かれて、それぞれの利害、思惑に左右されて生きているこの大地も一つのマクロコスモスの一片に過ぎないこと、そんな大きな視点に気付かせてくれる壮大なストーリーとなっています。


ただ一読しただけではその複雑な勢力分布図や地理などが頭に入りずらく、やや理解が遅れる読書となった気がします。
けしてよくあるような物語の地図があればいいとは思わないのですが。


含みをもった表現で描かれていくヴァンたちの生きる世界は、リアリティがあって、温もりも厳しさも伝わってくる持ち重りのする世界として感じられます。


ストーリーとしてはもっと波乱が起き、争いや戦いが起きた方が見場はするのでしょうが、作中で語られる「鹿の王」の生き方を選んだヴァンと、そのそばに寄り添ってともに北の荒野に走り去っていったサラとユナ。それだけで充分な存在感が伝わってきます。


三年をかけて苦労して書かれた労作は現実社会がそうであるように複雑で、角度を変えてみるとまた違った相貌を見せてくれるように思えます。


個人的には時間をおいて再読したほうが、良いかもしれないなと思いました。

ニックネーム: p-mama 投稿日:2014/10/11

病を人が操る怖さ

謎の病(黒狼病)は疫病に近いものであったが、それは人為的にしかけられたものであった。そして移住民だけが罹る病と噂される。
「神は追われた先住民を見放していない。病を持って民を救っている。」
病を操るものは、辺境の地を愛し、そこに住まう民を愛する者であった。

犬に噛まれることによって広がる黒狼病。
そして噛まれて生き残ったヴァンには自分と犬との気持ちが一つになってしまう、ユナにはこの病に効果があると思われる地衣類が光って見えるという能力が目覚めてしまう。
二人は「生き残った」という事実から追われる身となる。

もう一人の主人公ホッサルは代々医術を生業とする旧王国民族の医術師。
旧王国の医術師は聖なる人々と言われているが、帝国のお抱え医術師たちと対立する立場にある。帝国の医師団は「医術師は神の指なり」という言葉のもと神の教えに従って行なわれる宗教的医術であるからである。

科学的に黒狼病を解析し治療に当たるホッサル。
しかし帝国の医師団の思惑、少しでも自分たちの地位をあげたい旧王国医師の祖父、それぞれに翻弄される。

愛する人々を救いたいという思いのヴァンとホッサル。
しかしそんな単純な思いだけでは動いていかない現実。

民族の対立、国を治めるということ。
愛だけでは動かないのは当然なのだが、愛がなければまた動いていかない。
本当に難しいものだな、と思う。
上巻を読んだ時にも思ったが、国を動かすのに病を使った時、これはもう世界の滅亡だろうと。まさかエボラ出血熱がそうだとは思わないが、このタイミングで読むとほんとうに怖い。

最後に、実は「鹿の王」を早く読みたくて電子本で購入して読んだのだが。
うーーん、電子本には好意を持っていたのだが、この本に関しては「書籍で読みたい!」と思った。上橋氏の物語は国と国の関係が複雑だし、漢字の読み方が独特だし、人間関係も複雑で何度も戻りたいのに、ページがうまく繰れないのだ。行きつ戻りつするのに電子本がこんなにストレスがあるものだと思わなかった。
人間って不思議なくらい勘が働くもので、書籍だと「この辺り!」とほぼ狂いなくページが出せるのだ。そして思い入れの強い本ほどページを繰る楽しみがあるのだと再認識した。
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