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本 ルポ貧困大国アメリカ

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本-ルポ貧困大国アメリカ
著者: 堤未果 (著)
定価 ¥799(税込)
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商品情報

出版社名
岩波書店
シリーズ名
岩波新書 新赤版 1112
発行年月
2008年 01月
ISBNコード
9784004311126
版型
--
ページ数
207P
平均評価
(4.5)
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ブクレポ
2件

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堤未果 OFF

この商品について

一日一食食べるのがやっとの育ち盛りの子どもたち。無保険状態で病気や怪我の恐怖に脅える労働者たち、
選択肢を奪われ戦場へと駆り立てられていく若者たち─
急激に進むアメリカ社会の二極化の足元で何が起きているのか。人々の苦難の上でいったい誰が
暴利をむさぼっているのか。追いやられる人々の肉声を通して、その現状を報告する。

内容紹介

貧困層は最貧困層へ、中流の人々も尋常ならざるペースで貧困層へと転落していく。
急激に進む社会の二極化の足元で何が起きているのか。
追いやられる人々の肉声を通して、その現状を報告する。
弱者を食いものにし一部の富者が潤ってゆくという世界構造の中で、それでもあきらめず、この流れに抵抗しようとする人々の「新しい戦略」とは何か。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

目次

第1章 貧困が生み出す肥満国民(新自由主義登場によって失われたアメリカの中流家庭/なぜ貧困児童に肥満児が多いのか/フードスタンプで暮らす人々/アメリカ国内の飢餓人口)/第2章 民営化による国内難民と自由化による経済難民(人災だったハリケーン・カトリーナ/「民営化」の罠/棄民よなった被災者たち/「再建」ではなく「削除」されたニューオーリンズの貧困地域/学校の民営化/「自由競争」は生み出す経済難民たち)/第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々(世界一高い医療費で破産する中間層/日帰り出産する妊婦たち/競争による効率主義に追いつめられる医師たち/破綻していくアメリカの公的医療支援/株式会社化する病院/笑わない看護婦たち/急増する医療過誤/急増する無保険者たち)/第4章 出口をふさがれる若者たち(「落ちこぼれゼロ法」という名の裏口徴兵政策/経済的な徴兵制/ノルマに圧迫されるリクルーターたち/見えない高校生勧誘システム/「JROTC」/民営化される学資ローン/軍の第二のターゲットはコミュニティ・カレッジの学生/カード地獄に陥る学生たち/学資ローン返済免除プログラム/魅惑のオンライン・ゲーム「アメリカズ・アーミー」/入隊しても貧困から抜け出せない/帰還後にはホームレスに)/第5章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」(「素晴らしいお仕事の話があるんですがね」/「これは戦争ではなく派遣という純粋なビジネスです」/ターゲットは世界中の貧困層/戦争で潤う民間戦争請負会社/見えない「傭兵」一元化される個人情報と国民監視体制/国民身分証法/州兵としてイラク戦争を支えた日本人:「これは戦争だ」という実感)

著者情報

堤 未果
東京生まれ。ニューヨーク州立大学国際関係論学科学士号取得。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇、以後ジャーナリストとして活躍。現在はNY‐東京間を行き来しながら執筆、講演活動を行っている。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか』(海鳴社)で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: stbneco 投稿日:2012/02/22

新自由主義政策の実態

ひとことで言ってしまうならば、アメリカで特に80年代以降に推し進められた新自由主義政策の結果社会に広がった歪みについて書かれた本である。

何度かの不況やテロ対策、イラク戦争を背景に、政府は軍事予算などを増大させ社会福祉費の削減を進めてきた。
経費削減の手法は、大幅な規制緩和と市場原理の導入。かつて政府が担っていた業務がどんどん民間に委託もしくは民営化され、市場原理による運営がなされる。

その結果どういうことが起こったか。

著者の見方は大きく言ってこんなことだろう。
○民間会社の目的は消費者サービスではなく株主を喜ばすことである。
○民間会社は収益を上げ配当を増やすため業務のサービスの質を下げと人件費を削減する。
○消費者は高負担低サービスの経済システムに取り込まれ困窮し、中間層は崩壊し貧困化し、貧困層はますます追い込まれる。

これは論旨を抽象的に整理してみただけなので、観念的に聴こえるかもしれない。が、実際はこれらについての具体的な事例に取材した例示がたくさんこの本にはあり、特に従来は公的サービスによって担保されると考えられていた領域の民営化による弊害に絞って取り上げられているようである。


例えば教育。
大学の民営化による学費高騰と設備・内容レベルの低下、高校に導入された成果主義と競争主義による教員の疲弊などの、直接的なことも十分に深刻だが、それ以上に学費公費負担の削減と学費ローンの民営化が恐ろしいらしい。

貯蓄率の低いアメリカでは現在高等教育を受けるためにほとんどの学生が学資ローンを組むが、その利率はかなりの高率で、在学中・卒業後に昼夜の別なく働いても返済できなくなるケースがあると。しかも返済が滞ると違約金が加算されさらに返済額が大きくなる。たとえ卒業でき学位を取得しても満足な職に就ける可能性はほとんどない状況のなかでは、返済額は膨れる一方、収入はまったく追いつかない。

この仕組みはさらに、ローン会社の独占化、破産宣告しても学資ローンだけは免責されず他の低金利ローンへの借り換えもできないという法制度(!)などにより下支えされ、一度はまったら死ぬまで抜け出せず深刻化する構造になっている。(というか死後もローンは残るのだとか!)

学生の多くは、本来自身や国家のよき未来への投資であるはずの教育により、一生ローン返済のために働き、それでも返済しきれずに生活水準を落とし、クレジットカードも作れない貧困層に落ちてゆく運命に足を突っ込むのである。

この学資ローン問題の悲しいところは、学生の親の世代がそれを理解していないことである。親の世代は公的負担により現在と比較にならないほど少ない自己負担学費で大学を卒業し、高収入の職を得た自由主義者であるから、子供は高等教育を受けるのは当然で、そうすればよき未来が待っているという家庭のなかで、若者は高額のローンでも躊躇なくサインする。そうした中産階級がまさにターゲットとなっているのだ。そして中産階級のステイタスは実は親の代で終わり。その子供は二極化する社会の「下の方」へとどんどん吸い込まれていく。

さらに背筋が寒くなるのは、この状況を軍がリクルートに巧妙に利用しているということ。9.11を契機に公的機関や民間会社の保有する個人情報を国家が集めることが合法化されていることを背景に、軍はローン返済に困っている学生の情報を得て、ピンポイントでリクルータを送り込むという。いきなり本人のケータイに電話が来るんだと!
で、こうささやく。入隊すれば残った学費を軍が肩代わりするぞ。職がない一方返済額が膨れ上がっていく状況にある学生にはもはや選択の余地はない。
そのうえさらに、リクルータの提示条件もいざ入隊すると実は虚偽だったりすることもある。学費肩代わりにも実は上減額があり結局ローンはなくならない、とか、実は肩代わりは前納金の納入が条件だったり(そんな金はないので結局返済はできない)、イラク戦争は終結していて危険な地域への派遣はないという話だったのが、さっさと前線に送られたり・・

アメリカ合衆国は徴兵制を廃止しているが、もはや徴兵制は必要ではない。経済的徴兵制により若者はちょっと働きかければ自発的に悪条件で軍に入隊するのである。

という息苦しい話が、ほかにも医療、年金、災害対策、軍隊!などの分野にわたってこれでもかと書かれているのがこの本。

「「小さい政府」「民間活力の導入」「競争原理」で、国民の負担する経費は削減され、サービスは向上する」、というのが新自由主義的改革のうたい文句である。口当たりのいい、一見理にかなったことのように思ってしまうのだが、ものごとには何事も暗い面がある。実際にはその理想とはかけ離れた事態が出来しているわけだ。

日本においても実際小泉改革路線で一旦はその方向に歩み出し、すぐに製造業派遣の問題などが明らかになったわけだけど、こういう制度の改正・導入にはよほど注意してかからなければいけないのだなと、あらためて認識するイチ有権者なのであった。

ニックネーム: 坂縞 投稿日:2011/11/05

いつか日本もこうなる?

これは本当に面白い(と言ったら変かもしれませんが)
アメリカで起こっている貧困の実態、むしろそれを助長するような政策を打ち出す政府。福祉削減はデフォですか。

あまりにも見事な負の連鎖に、思わず目を覆いたくなります。

でもこれは、決して他人事ではないです。日本も、同じような道を辿り始めていることを、知っておかなければなりません。
一度底辺まで落ちたら、滅多なことでは這い上がれない構造は、日本と同じですから。

ネットで騒がれてるように、TPP参加で万が一アメリカ流の保険制度(制度というか民間の保険会社だけ)になってしまったら、風邪薬で高い金取られるとかありえるんですかねー。。。
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