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本 山県有朋-明治日本の象徴-

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本-山県有朋-明治日本の象徴-
著者: 岡義武 (著)
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商品情報

出版社名
岩波書店
シリーズ名
岩波新書 青版 D 120
発行年月
1958年 05月
ISBNコード
9784004131205
版型
--
ページ数
--
平均評価
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ブクレポ
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岡義武 OFF

ブクレポ  ( ブクレポについて

ニックネーム: ランピアン 投稿日:2013/05/18

通説的理解のために

幕末の動乱を尊攘の志士として生き、のちに明治新政府の中核をなした英傑のうち、もっとも不人気な人物といえば、おそらく山県有朋だろう。陸軍の重鎮、徴兵制の創設者、自由民権運動の弾圧者、政党政治の否定者、つまりは軍国主義と中央集権主義、官僚専制の産みの親だというわけである。彼は奇兵隊軍監として各地を転戦した強者だが、隊の創始者である高杉晋作と較べては無論のこと、憲法と内閣制度の生みの親である伊藤博文と比較してもイメージが悪い。山県を貶して、“平民宰相”原敬を持ちあげるのが、“良心的”近代史のお定まりのパターンであろう。

もっとも、その政治姿勢はともかく、出自だけでいえば原は平民どころか、盛岡藩の上級武士の出であるのに対し、山県の父は中間の身分だから、正確には有朋は武士ですらなかったのだが。本書は戦後を代表する政治史家、岡義武による山県の評伝である。山県に関する基本文献といえようが、今まで目を通したことがなかった。今回遅まきながら一読に及んだのだが、著者描くところの山県は、あくなき権力欲の塊、いわば政治的人間の典型であり、岡はその無気味な「生態」を描写するのみで、彼の足跡を自律的な思想として読み解こうという気が毛頭ないため、一向に面白くない。

近代日本が抱える負の部分が、少なからず山県の責に帰せられるのが事実だとしても、彼の行動をもっぱらその権力欲に還元して事足れりとする著者の姿勢には、少なからぬ疑問を感じる。山県については、有馬学や井上寿一といった気鋭が近年斬新な解釈を提出しているというから、そちらに期待するほかなさそうである。ただ、書中で紹介されている逸話のうち、印象に残ったものがいくつかあった。幕末、長州の尊攘志士たちの間で、河豚を肴に酒を呑むことが流行した。猛毒の魚を敢えて口にすることで、命を鴻毛の軽きに置くというところを見せていたわけだが、万事に慎重な山県は、蛮勇を誇示して悦に入る同僚たちを尻目に、別の鍋に鯛を煮させて、一人淡々と杯を重ねていたという。敵に回すと本当に手強いのは、こういう人間であろうと思う。また、山県の今日の悪名は、徴兵制の創始者としてのそれでもあるが、抵抗を押し切ってまでこの制度を導入したのは、武士階級に対する彼の抜きがたい不信感のゆえであったという。奇兵隊時代、戦地にあって彼が見たのは、農民兵の剽悍と、それとは対照的な武士たちの怯懦だったのである。侍恃むに足らずと見た山県は、共同体の防衛者としての特権と名誉を旧武士階級から剥奪したのであり、徴兵制度に最も反発したのが士族たちだったというのも頷ける。「戦争が平等化を促進する」という大いなる逆説が、ここにも顔を覗かせているのである。
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