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『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』発売!ジェーン・スーさんインタビュー

ジェーン・スー(じぇーん・すー) 作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティ。日本生まれ、生粋の日本人。 2013年、なかなか男性にプロポーズされない女性の理由を綴った『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』では、女性だけではなく男性からも評判を呼び、現在は「未婚のプロ」としてもラジオなどで活躍中。

男性にプロポーズされない理由を綴った前著 『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』では、「耳が痛い!」と
世の未婚女性をおおいにザワつかせたジェーン・スーさん。
そのザワつきも冷めやらぬ間に、次なる新作『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』が発売!
著者の人気ブログ『ジェーン・スーは日本人です』に掲載されていた記事に加え、書き下ろし20本を収録。
誰しもが「女子」という性質を持っているにも関わらず、ピンクを愛せる女性、愛せない女性。人に甘えられる女性、甘えられない女性……。
その乖離はなぜ生まれてしまうのでしょうか。
こじらせ未婚女性スタッフ陣が、ジェーン・スーさんにインタビューしました!

ジェーン・スーさんについて教えてください。

――― ジェーン・スーさんは生粋の日本人ということなのですが、お名前の由来を教えていただけますでしょうか?

以前お付き合いしていた方とお誕生日が1日違いだったのですが、単にプレゼントを交換しても面白くないなという話になりまして。
当時たくさん建っていたオシャレなホテルに宿泊しようということになり調べてみたところ、どこも値段が高くておいそれと出せる金額ではなく……。
そうしたら、Visiting Tokyoという東京に観光に来ている外国人が安く泊まれるプランがあったので、そこで偽名を使って外国人として利用した名前が「ジェーン・スー」でした。

――― 「ジェーン・スー」というお名前で活動を始められるきっかけはあったのでしょうか?

もともと、mixiネームでこの名前を利用していたのですが、日記を公開していたところ、幻冬舎の方から「コラムを書いてみないか」というお話をいただき、必然的にその名前のままになりました。
当時は、まさか仕事になるとは思ってもみなかったので、大変なことになったな……と。

(一同笑)

――― 初めてメディアでされたお仕事は、そのコラムだったのでしょうか?

そうですね、幻冬舎の『GINGER』創刊号からコラムを連載させていただきました。

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新刊『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』について

――― 今回、どのような経緯で出版に至ったのでしょうか?

大島さん(『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』の担当編集者)が私のブログ(※1)を読んで、「本を出したい」と言ってくださったのが最初です。

(大島さん) ブログで、書籍のタイトルにもなっている『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』の記事を最初に読んで、「おもしろい!」と思ったのがきっかけでした。

――― 本書は、ブログに掲載されていた記事以外にも、書き下ろしが20本収録されているということですが、執筆期間はどれくらいだったのでしょうか?

大島さんからお時間をいただいて、月に1本~2本とかのペースで少しずつ書いていったので、1年くらいですね。

――― 前著『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(※2)のときは、プロポーズされない理由が101個掲載されている内容だったのですが、今回はエッセイを書こうという感じだったのでしょうか?

(大島さん) 最初はブログの内容を書籍化させていただきたいとご依頼し、それと平行して長めのエッセイをたくさん書いていただき「読み物」として面白い一冊にしましょうといったご相談をしました。

――― ブログの記事から『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』がタイトルに選ばれた理由は何だったのでしょうか?

インパクトのあるものを、と思いました。
書籍タイトルについては、前作の『私たちが~』でもそうですが、インパクトがあるものを選んでいます。
今回、大島さんには最初から「これです!」と言われていて。

(大島さん) これはもう、ジェーン・スーさんならではの言い回しだなと思いました(笑)

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本書で取り上げられている女性性について教えてください

――― 本書よりいくつか章をピックアップして、その中で書かれている女性性についてお伺いします。

◆ 『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』について

SNSに日々投稿される、「今日は、フレンチビストロで仲良しのお友達とフォンダンショコラ!」とアヒル口で女子アピールする、
すでに女子年齢ではない女性たち。
しかし、自分は自称・女子ではない!と思っている人にも、実は同じように女性性が存在しているのである……。
女性は生涯女子!
自分の中にある女性性とどう向き合っていくのかを考察していく章。

――― この「自称・女子」に違和感を持つようになったのは、SNSでの「女子アピール」投稿が目立つようになってきたことからでしょうか?
それとも、「女子会」という言葉が流行りだしてからなのでしょうか?

もともと気になっていたところに、雑誌の『GLOW』が「40代女子」を打ち出してきたのが決定的だったと思います。

――― なるほど……!
構成的に、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』を冒頭もってこられたのは、やはりインパクトを最初に!という感じだったのでしょうか?

書籍のタイトルになっているので、流れとして「ここから始まるぞ」という風にしていますね。

◆ 『女子会には二種類あってだな』について

世の中には、SNSに載る女子会と載らない女子会が存在する。
SNSに載る女子会は、ネイルやまつげエクステばっちりの女性たちがフレンチビストロに集合し、
「女子! 私たちは女子!」と異性から見られる女性性を意識していることが伺える。
一方、SNSに載らない女子会は、スペインバルに集合し、1人1本はワインをあける。
もしくは、居酒屋に集合して焼酎からスタートし、愚痴だのを吐きながら最後は「まぁ、なんとかなるよ……」と励ましあう。
ジェーン・スーさんは、この様子を「海賊の宴」と表現。

――― どちらも見た目は違えど同じ女子会ですが、前者の女子会と後者の女子会では、それぞれ開催側のタイプに傾向はあるのでしょうか?

いえ、これはどちらも同じ人がやっているんですが、向いている方向が違うという話しですね。
SNSに載せる表の女子会と、SNSに載せない裏の女子会があるという話なので。

――― なるほど!
タイプの異なる女性が、それぞれで繰り広げている女子会パターンのことだとばかり思っていました……。 (後者の女子会しか経験がない取材者)

◆ 『エエ女発見や!』について

俗にいう「結婚相手にふさわしい普通の男性」に選ばれるにはどうすればいいのか。
2つの異なるタイプの合コンをセッティングし、それぞれでアプローチ方法を変えて自己分析をしたジェーン・スーさんの合コン実録。
「らしくない自分を演じること」に対する抵抗と、どう向き合っていけばいいのだろうか……。

――― 自分の中の「女性性」を受け入れられる人と、受け入れられない人というのは、人に対して心を開ける人、うまく心を開くことができない人という構図にも似ているように思うのですが、どうでしょうか?

自分の「女子」としての価値みたいなものに非常に無頓着か、もしくは頓着があったとしても、そこに高い値段をつけられる人というのが、比較的バイアス無く女性性を出せるタイプなんだと思います。
その反対に、周囲と比較して自分の値段が低いと思ってしまったり、女性性を出すことで女性としてなめられた経験を持っていたりとか、そういうことをしている人を見て「ずるい」と思っていたりすると、なかなか上手に女性性を出せないということだと思うんですよね。

――― 女性性を受け入れられない人は、受け入れられる人に対して、憧れを持っている部分があるのかもしれないですね。

そうですね。
馬鹿にしながらも意識から外れないということは、そういうことだと思います。

なんていうんだろう……
そういう人って、女性性を出せる人の「女だからこれで許されるだろう」みたいな態度に腹を立てながらも、自分の中に“かわいいものが好き”とか、“女の子っぽい”という部分も持っているわけですから、それをどう出していくかっていうのが、なかなか難しいんだと思うんですよね。

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自分を掘り下げる、ということ

――― 一通り読んでみて、『ファミレスと粉チーズと私』の章が、なぜこの位置にあるんだろうと気になりました。
違和感があるというか、ここで小休止というか……。

ありがとうございます(笑)

もともとブログに書いていたものではあるんですが、こういうこと(女性性のことなど)を言っていながらも、プライベートはこんなもんですよ、ホントに。
『歯がために私は働く』とかもそうですね。
私の日常に起こっている現在進行形の話です。

――― あと感じたのは、自分の女性性を認めることって、こんなにも難しいことだったのか!ということでした。
認めていないことに気づきたくなかったというか、逃げていたと思うんですけど……。
自分の女性性を自覚されていない人たちって意外と多いのでしょうか。

どうでしょうね、この本が売れたら多かったということになると思うんですけど。

(一同笑)

ブログで書いているところでは、『ピンクと和解せよ。』は読者からの反響が大きかったので、自覚している・していないというよりは、
文章として(女性性について)読むということが、そんなにある体験ではなかったのかもしれないですね。

(大島さん) 「スッキリした!」っていうのは、社内の女性たちも言っていますね。
モヤモヤと気になっていたことを言語化していただいたので、「そういう風に考えると腑に落ちる!」という感じでした。

――― 私たち(取材陣)も先ほどこのピンクの話をしていたのですが、ピンクの服ってなかなか着られないよね……と。
実際、ピンクの物は持ち数がかなり少ないです。

女性らしいと言われているものに対して、どこか居心地が悪かったり、自分には関係のないものだと思っていたりしたけど、何で自分でそう思ったのか分からないというモヤモヤをスッキリさせることができたらいいなと思っていますね。

――― 私もかわいいもの……例えば、LINEの場合だと女性性を受け入れられる人はかわいいスタンプを使っているけど、自分はかわいいスタンプが使えない。 「なんで使えないんだろう」と思いつつ、でもどっちが正しいのかもわからずモヤモヤしていたんです。
でも、この本を読むことで「あ、これだ!」とモヤモヤの正体に気づくことができました。

本書は、ジェーン・スーさんが自身のことを掘り下げている内容にもなっていますが、他の女性にとっても「あ、私にもそういうところあるな」って共感できる内容だと思います。

ありがとうございます。

――― 今回、この本をきっかけに(取材陣で)飲みに行って、自分たちのことを掘り下げてみたんですけど……。
例えば、私たちは「親友」という言葉を聞くと、なぜかザワザワしてしまうという共通点があって。
それって、相手に対して心を開けていないからザワつくんじゃないかとか、その原因ってなんだろうね、というところから幼少期の記憶までさかのぼってみたりとか……(苦笑)
そういうことを考えてみるようになりました。

そういうのは嬉しいですね。
話のきっかけになってくれたら、本望です。

――― ここまでご自身について深いところまで書くことに、抵抗はなかったのでしょうか?

あまりなかったですね。
ブログに書いていたことの延長で続きを書いていったので、本を書くということがなければ、そのままブログに掲載していたと思います。
完璧にとは言いませんが、自分の中では決着がついていることなので。

――― 私は、自分を掘り下げていく過程で、「これは痛みをともなう作業だな」と実感しました……。
ジェーン・スーさんは、「なぜピンクが着られないのか」などを考えていく中で、痛みはともなわなかったのでしょうか?

痛みがないとは言いませんが、それよりもモヤモヤした部分をすっきりさせたときの快感のほうが大きかったですね。

――― じゃあ、私はまだ自分を掘り下げきれてないのかもしれないですね……(汗)

いや、それは人によると思いますよ。

前著の『私たちが~』でもそうですけど、今の状況がわかれば、事態に対する自分の態度が決められると思っていて。
モヤモヤしている時って、だいたい状況がわからない時だと思うんですよね。
今自分がどっちを向いてどう立っているのか、座標軸のどのあたりにいるのかというのがわかれば、「じゃあ、東に行くのか西に行くのか」って決められるじゃないですか。
座標軸のどのあたりにいるのかがわかることが、私にとっては問題解決と同義なので、「あ、今ここに立っていたんだ」ってわかることの快感は大きいですね。

――― ジェーン・スーさんが、ここまで自身のことを掘り下げるようになったきっかけというのは、そういうことができる環境にあったというか、何かあったのでしょうか?

どうだろう……。

仕事の企画とかアイデアにしろ、自分の悩みもそうなんですけど、ひざを抱えていて名案が浮かぶことなんてないですよね。
物をよく知っている子に聞いたりとか、ネットで調べたりとかすると、過去に誰かが同じように悩んでいて、すでに答えが出ていたりするんです。
自分の抱えていた悩みは、すでに他の誰かが解決しているみたいな。
そこで「何で自分はこう思うのかな?」って自分と向き合って答えを見つけたりするっていう。

――― 同じ女性でありながらも、女性性を受け入れられる人、受け入れられない人というのは、なぜ二分化してしまうのでしょうか?

たぶん、明確に二分化されているわけではなくて、すごく細やかなグラデーションになっているんだと思います。
自分がどこまで受け入れられるかという折り合いって、はっきりと分けられるものではないと思っていて。

なぜ(分かれてしまうの)かっていうことだと、それぞれ小さい頃に「女の子だったらこれがかわいい」というのを、テレビや幼稚園などから情報として受け取っていて、それを自分とマッチングさせたときに、「どうも相性が悪い」と自分で自分にNGを出したり、まわりからNGを出されたことが深く心に残ってしまっていて、それによりグラデーションの濃さが変わってくるんだと思います。

――― ちなみに、ジェーン・スーさんのグラデーションは、今どのあたりなのでしょうか?

私はもうだいぶ……そこに関しては、かわいいものをかわいいと思いたいし、似合わなかったとしても、かわいいものを持っていることで、誰かから石を投げられることではないなっていう客観性を持つようになれたあたりですね。

――― 「最終的にこうなりたい」というよりは、そういった自分を受け入れられれば良いかな、という感じなのでしょうか?

そうですね、それは時間によってどんどん変容していくとは思います。

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「自分はこうだ」と決めつけない

――― 本書には、ターゲットとされている読者層はあるのでしょうか?

そういうのはないです!(キッパリ)

男女関わらず、気になった人に読んでもらえればと思っています。
「女性を知りたい」という男性だったり、「自分が女性だから」という理由でもいいし、娘の考えていることを知りたいという父親の方とか。
娘さんの考えていることが私と一致するわけではないと思うんですけど、こういう人がいるんだなっていう。
なので、いろいろな方に読んでいただければと思っています。

――― 前著の『私たちが~』では読書会をやられていますが、今回の書籍も同じように読書会をやられる予定はあるのでしょうか?

今のところは具体的に決まってはいませんが、(大島さんに)合同でやりましょうか?(笑)
今回の本だけでもいいですけど……。

自分で書いた本ですが、読者の方と話すことで理解が深まるところもあったので、そういう接点は持ちたいなと思っています。

――― 同じテーマで話をしていても、いろんな側面からの意見が出てきそうですよね。

(前著の読者会では)意見交換がすごく活発に行われるので、「みんなこういうことを話したかったんだな」というのは感じますね。
とても盛り上がります。

――― 最後に、モヤモヤとしている女性たちへ何かアドバイスがあれば教えていただけますでしょうか?

んー、なんだろう。
「自分はこういう人だ」っていうのを、自分で決めつけないほうがいいと思います。
というのも、自分がそうやって決めつけていたことで、得したことはなかったなというのがあるので。
実体験としてそう思いますね。

――― ありがとうございました!

※1 2013年1月からスタートしたジェーン・スーさんのブログ『ジェーン・スーは日本人です』
※2 プロポーズされない女性の理由を101個綴った著者の前著。通称『わたプロ』(ポプラ社より出版)

本書に書かれていることは、ジェーン・スーさん自身の経験談が主ではありますが、読み進めていくと、
どんどん自分の中にいる女性性と向き合う羽目になっていきます。
それは、最初はつらい作業でしたが、今まで気づこうとしなかった、本来の素直な自分との再会でもありました。

「さみしくて傷ついた時にそれを認識しないでいると、嬉しくて飛び上がりたい時の感情も、可愛いものや美しいものを見て
幸せになった気持ちも、感動で心が揺さぶられた時の気持ちも、だんだん表に出せなくなってきます。(本文引用)」


直接ジェーン・スーさんにお話を伺ったことで、少しずつでも自分の中にある女性性とうまく向き合い共存していくことが、
今後の自分を大きく変えるきっかけになるのだなと思いました。
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著書紹介

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題
ジェーン・スー (著)
幻冬舎
未婚のプロ、ジェーン・スーの真骨頂。
これまで誰もが見て見ぬふりをしてきた女にまつわる諸問題(女子問題、カワイイ問題、ブスとババア問題、おばさん問題……etc.)から、恋愛、結婚、家族、老後までーー今話題沸騰中の著者が笑いと毒を交えて、自らの経験や失敗を開陳する宝石箱のようなエッセイ。
私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな
ジェーン・スー (著)
ポプラ社
アラサー界の愛の伝道師ジェーン・スー初の著書!
なかなか結婚できない女性が知らないうちにやってしまっていること101を紹介。