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ブークスによる出版社インタビュー企画 第7弾 イースト・プレス


今回は、「絵本は自由で楽しいもの」というコンセプトのもと、2008年に子どもの本のシリーズ「こどもプレス」を創刊したイースト・プレスの筒井さんにお話をうかがってきました。

イースト・プレスの児童書・絵本のテーマ

現在お仕事をされている中でのモットー、テーマを教えていただけますか?

私の担当は児童書、絵本になりますので、自由で、楽しくて、読む人(子供中心)の想像力を刺激するような絵本を作りたいと思っています。

その中で子供たちに伝えていきたいことは?

よく聞かれるんですけど、「伝える」とかではなくて、読んでくださる方に「楽しかった」とか「なんかこれって変わっているな」という時間を持ってくれたらいいな…と思っています。
そして、何年か経ってこの絵本のことを忘れたとしても、大人になってからなんとなく「ふっ」と思い出してくれたらいいなと思います。

こちらにある児童書は全部ご自身1人で手掛けられたのですか?

そうですね、全部ですね。絵本に関しては2008年の5月くらいから出版しているんです。現在は、14~5冊くらいを出しています。

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刺激的なあの絵本が、日本絵本賞 大賞を受賞!

ブラッキンダー

ブラッキンダー
スズキコージ (著)

こちらの作品は子供には少々刺激が強いような気がしますが…。

これはこれで、熱狂的に好きになる子供が多いんですよ。(※ スズキコージ (著) 「 ブラッキンダー 」)
絵柄の印象とか、結構、具体的なストーリーなどは忘れてしまっても「あの場面がよかった」と覚えていてくださることが多いようです。

賞も受賞されていますよね。

はい。お陰様で「第14回日本絵本賞 大賞」をいただきました。

筒井さんご自身で好きな作家さんはいらっしゃいますか?

そうですね。やっぱりスズキコージさんは好きな作家さんの1人になりますね。
この寺門孝之さんは自作の絵本は初めてですが、本の装画とか天使の絵で有名な方なんです。
(※ 寺門孝之 (著) 「 ぼくらのオペラ 」)

ぼくらのオペラありがとう

ぼくらのオペラ
寺門 孝之 (著)
 

ありがとう
石津 ちひろ (著)
メグ・ホソキ (画)

対象年齢は?

基本的にうち(イースト・プレス)の絵本は4~5歳くらいから、上は問わない、と考えています。こちらは多分書店によっては大人向けとかの所に置かれている場合もあるみたいですね。

大人向けの絵本も作っていく感じでしょうか?

特に大人をターゲットにするとか普段は無いですけどね。やっぱり子供たちにもこういった作品を見て欲しいと思って作っていますから。
大人向けというと…1冊だけちょっとメッセージ本みたいなものを作ったことがあるんです。 いろんな生活の中での「ありがとう」という瞬間を集めて絵本にした感じですね。(※ 石津ちひろ (著)、メグ・ホソキ (画) 「 ありがとう 」 )

そうそう、これはトイレトレーニングも兼ねている感じの本「 トイレでうんちできたかな? 」という本なんです。 ちゃんとうんちができるとシールを貼っていく…というものなんです。

実際に読者の方から反響等はありましたか?

読者カードから、お手紙をいただくことはありました。
読者カードで一番多いのがこの「 ブラッキンダー 」、スズキコージさんに関する内容ですね。
やっぱりインパクトがあるのか、すごく多くて…「この絵の鮮やかな色合いに、子供がすごく興奮してます」とか。

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新しい試み ― ライブペインティングの絵本

うちゅうたまご

うちゅうたまご
荒井 良二 (著)

企画に関しては、どういった感じで作られるのですか?

そうですね。基本的には作家さんとの打ち合わせの中で話しながら出来上がることが多いですね。 そうそう、これなんかはライブペインティングを絵本にしたんですよ。(※ 荒井良二 (著) 「 うちゅうたまご 」) この作品は、コンセプトを元に作ったものになります。
荒井さんのライブペインティングが好きで、「ライブペインティングを撮影して絵本にしませんか?」という依頼を基に作りました。この絵本作成のために、わざわざ荒井さんにライブペインティングをしていただいて。時間にして3時間くらいになりました。

3時間ですか?! この作品は手だけで描かれているんですか?

はい、そうですね。手とか、具材のチューブで直接キャンパスに描くとかですね。
ひとつの絵を仕上げるというよりは、いろんな場面が現れては消えて…という感じです。

途中経過の作品は、現物としては残らないですよね。

そうですね。だから出来た結果を楽しむというよりは、作っている過程を楽しむという感じのライブペインティングなんです。
こういう新しい試みみたいなものを手掛けていきたいですね。
でも、ライブペインティングだから、新しくて凄いとかそんな風には思わなくていいと思いますし、子供たちがそんな風に思っているのもちょっと変ですしね。

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何十年も夢で見続けたものが絵に!

おもいで

おもいで
内田 麟太郎 (著)
中野 真典 (画)

その他に、筒井さんが企画された中で「変わっている」と思われる感じの作品はありますか?

さっき「楽しい」と言っておきながら、これはちょっと重たい内容のものなんですけど…(笑)
(※ 内田麟太郎 (著)、中野真典 (画) 「 おもいで 」)
この作品は内田麟太郎さんという文章作家さんのものになります。絵を描かれている方は中野真典さんというという方で、絵本としては新人の方になります。
その人の絵が好きで、「何とか絵本にしたいな」と思っていたので、先ずは個展があった時に内田さんに葉書(DM)を送りました。その個展を内田さんが見に行かれて、驚かれたそうです。
もう何十年も夢で見続けたものとほとんど同じ情景が描かれている作品があった!ということなんです。
前半がちょっと暗くて、途中からカラーになって…しかも、中で「ゾクッ」とするような感じの内容があたりするんですよ。 ある作家さんから、この作品を読んで、「映画っぽいですよね」というような感想をいただきました。

そういえば、寺山修司さんの作品のような感じがしますね。

意識をして作っていたわけではないのですけど…なんかそうなった、みたいな感じですかね。

自分が親だったらこういうザワザワ系の絵本を見せたりはしますか?

僕は基本、何でも好きなものを見ればいいと思うんですよ。
「可愛い」、「いい話」ばかりを読んでいても将来苦労するんじゃないかと思うので…この本は、自分としてはちょっと気に入っている本ですね。

次に進めていくもの、構想はもうお考えになられているのですか?

そうですね。なんとなく構想はもういくつか考えてありますね。 ちょっと今はまだお見せできない状態なので。

その何かが気になりますね(笑)

次の作品は一見正統的な感じのものというか、可愛い感じの作品に思えるかもしれませんが、作家さんからしてみるとやはり「新たな挑戦」みたいな感じですかね。そういうのをしてくださると、編集者としては「ありがたいな」と思いますね。
あまり「子供」を意識して絵本を作ってはいないですね。「子供」を意識し過ぎても、それはそれで面白さに欠けてしまうことにもなり兼ねないので。 やはり「本気でいい」と思うものを作らないと子供にバカにされるようになってしまう気がしますからね。

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読者のみなさまにメッセージ

最後に、読者の方に対してのメッセージをお願いします。

「買ってください」とかじゃダメですよね?(笑)
絵本買われる時、「どういうものを選んだらいいかわからない」という方がたくさんいると思うんです。とりあえずロングセラーのものを買う…みたいな。そうではなくて、自分の感覚で選んでもらえると、絵本の幅も広がっていくと思うんですよね。
それと、子供たちが自分自身で選んで買えるような環境にして欲しいですよね。親が子供に与えるのではなくて…。子供に「好きな絵本を買ってきてごらん」というような感じですかね。
…メッセージというよりは、お願いでしょうかね。

本日はありがとうございました!

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イースト・プレスの絵本・児童書はこちら

たいようまつり

たいようまつり

風木 一人 (著) 西村 敏雄 (画)
定価:1,365円(税込)

ふしぎなお祭りのはじまりはじまり。
こどもたちの想像力を刺激する、大らかで楽しい絵本。

ころころオレンジのおさんぽ

ころころオレンジのおさんぽ

nakaban (著)
定価:1,155円(税込)

ころころオレンジころがって、あれあれどこへ行くのかな?読み聞かせにもぴったり、鮮やかな色とシンプルなストーリーで、何度でも楽しめる絵本。

のぞいてごらん

のぞいてごらん

ふくだ としお(著) ふくだ あきこ (著)
定価:1,260円(税込)

穴の中をのぞいてみればいるいるたくさん、いろんないきもの。『うしろにいるのはだあれ』で大人気の作家が贈る、楽しい穴あき絵本。

うごく!とびだす!ジャングルの昆虫たち

うごく!とびだす!ジャングルの昆虫たち

今森 光彦 (著)
定価:2,310円(税込)

熱帯雨林から砂漠まで、世界の辺境地を取材しつづける昆虫写真の第一人者、今森光彦さんの写真が楽しいとびだす絵本になりました。

ひみつのムシムシランド

ひみつのムシムシランド

ハンダ トシヒト (著)
定価:1,365円(税込)

みんなはどうしてむしたちがよるにないてひるまはしずかなのかしってる?これはそんなみんながしらないちいさなちいさなむしたちのおはなし。

ねこはなんでもしっている

ねこはなんでもしっている

青山 友美 (著)
定価:1,365円(税込)

オレはこのまちにすむねこ。まちのことならなんでもしっているんだ。港のある町にすむ猫と迷い犬との1日のふれあいを描いた1冊。

えかきのチャーリーひみつのかべ

えかきのチャーリーひみつのかべ

穂高 順也 (著) 山本 孝 (画)
定価:1,365円(税込)

「こんな大きな肉が食べたいなぁ」おなかをすかせたチャーリーが、へやのかべにかいた絵が…まずしい絵描きの身に起こった奇跡?の物語。

5つごモンスターがやってきた!

5つごモンスターがやってきた!

たちもと みちこ (著)
定価:1,260円(税込)

かわいいモンスターたちが大活躍!大人気!あたたかいタッチで独自の世界を展開する、たちもとみちこ(colobockle)が描く不思議で楽しい世界。

ゆきがふったら

ゆきがふったら

いちかわ なつこ (著)
定価:1,260円(税込)

クリスマス前のある朝、ルイくんといぬのトニーは、雪の広場で出会いました。少年と犬とのひとときの心のふれあいを描いたしずかな絵本。