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第159回芥川賞・直木賞受賞作品特集

第159回 直木賞候補作一覧

破滅の王

上田早夕里 (著)

一九四三年、上海。
かつては自治を認められた租界に、各国の領事館や銀行、さらには娼館やアヘン窟が立ち並び、「魔都」と呼ばれるほど繁栄を誇ったこの地も、太平洋戦争を境に日本軍に占領され、かつての輝きを失っていた。
上海自然科学研究所で細菌学科の研究員として働く宮本は、日本総領事館から呼びだされ、総領事代理の菱科と、南京で大使館附武官補佐官を務める灰塚少佐から重要機密文書の精査を依頼される。その内容は驚くべきものであった。
「キング」と暗号名で呼ばれる治療法皆無の細菌兵器の詳細であり、しかも論文は、途中で始まり途中で終わる不完全なものだった。
宮本は治療薬の製造を任されるものの、それは取りも直さず、自らの手でその細菌兵器を完成させるということを意味していた―。

宇喜多の楽土

木下昌輝 (著)

戦国を駆け抜けた心やさしき俊才の生涯。

第152回直木賞候補作にもなったデビュー作『宇喜多の捨て嫁』から4年。
木下昌輝が再び宇喜多家を描いた傑作長編!

じっと手を見る

窪美澄 (著)

富士山を望む町で介護士として働く、かつて恋人同士だった日奈と海斗。
老人の世話をし、ショッピングモールに出掛けることだけが息抜きの日奈の家に、東京に住む宮澤が庭の草刈りに通ってくるようになる。
生まれ育った町以外に思いを馳せるようになる日奈。一方、海斗は、日奈への思いを断ち切れないまま、同僚の畑中との仲を深め、家族を支えるために町に縛りつけられていくが…。
読むほどに打ちのめされる!忘れられない恋愛小説。

ファーストラヴ

島本理生 (著)

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。
彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。
環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。
なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。
そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。

傍流の記者

本城雅人 (著)

優秀な記者ばかりがそろった黄金世代。
しかし、社会部長になれるのはひとりだけだった。
生き残っているのは得意分野が違う、四十歳をこえた五人の男。
部下の転職や妻との関係、上司との軋轢に、本流との争い、苦悩の種に惑いながら出世レースが佳境を迎えたそのとき―。
新聞社が倒れかねない大スキャンダルの火の粉が、ふりかかる。
出世か、家族か。
組織か、保身か。
正義か、嘘か。
自らの経験と更なる取材で、リアリティを極限までアップデート。
火傷するほど熱い、記者たちの人生を賭けた闘いを見よ!

未来

湊かなえ (著)

ある日突然、届いた一通の手紙。
送り主は未来の自分だという……。
『告白』から10年。
湊ワールドの集大成!待望の書き下ろし長編ミステリー!!

第159回 芥川賞候補作一覧

風下の朱(あか)

送り火

少年たちの危うい力の均衡が破裂する力作中篇小説。
注目の俊英、渾身作!

美しい顔

しき

もう「はい」としか言えない

妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。
無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。
性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。
半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。
「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」
胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。
飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。
これが悪夢の旅になったのである。
表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。
天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ!

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