『クジラの子らは砂上に歌う』第12巻は、当店限定サイン入り描き下ろしイラスト付き!
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梅田阿比先生インタビュー!
読者からの質問にお答えいただきました!!
Q. 魅力的な世界観や風景、建物の見た目や文字などのデザインはどんなものから着想を得ているのでしょうか? モデルにした国の文化、時代などがあれば教えていただきたいです。
読者の方からは「泥クジラの発想はひょっこりひょうたん島ですか?」との質問もありました。
泥の街ということで有名なマリのジェンネ市街地が、泥クジラの建物に一番イメージが近いと思っています。
モスクの尖塔や壁の質感が参考になりました。あとは、カッパドキアの地下都市を、泥クジラの地下や部屋の内部を描くときにイメージにしました。 ただ、無国籍風にしたかったため、何処かの国を連想できにくいようにしたいと思っています。
あとは、キャラクターは描きわけなどの都合で色んな髪色や瞳の色ですが、住民は皆日本人のイメージです。 竹林や笹舟が出てくるのですが、日本人にも馴染み深いような光景にしたいと思っていました。
ひょっこりひょうたん島は考えていませんでしたが、人形劇が好きなので、好きです!
Q. 梅田先生の中で、結末はもう決まっているのでしょうか?それとも、物語を描いていく中で変化していくのでしょうか。
作品を始めた頃から、最後の結末は決めていました。ただ結末に至るまでの展開はどんどん変わっていっています。
お話が進んでいくごとにキャラクターが勝手に動き出したり、本当はこのキャラはこういう人物だったのではないかと途中で気付いたりするので、キャラの行動やストーリー展開が意外な方向に行くときもあります。
あと、考えていた設定やエピソードを出さないままにしていることもあります。伏線としてあえてではなくて、全部描くとなかなか進まないので描けない場合が多いです…。
Q. 読者からのメッセージやリクエストを読むと、亡くなったキャラクターについても人気が高いですが、今後亡くなったキャラクターたちが回想などで登場することはありますか?
死んでしまったキャラクターが、誰かを精神的に助けるために幻想のような世界で再び登場することがあります。 いつのまにかそういうルールになっていたのですが、助けるために出てこられるのは一度だけで、一人のところにしか来てくれません。 たとえば、タイシャさまはチャクロのところへ来て、マソオさんはオウニのところへ現れたので、クチバさんのところに二人が来るシーンは描けませんでした…(泣)
今後回想が入る展開も多いので、誰かが再登場することはあると思います。
Q. 「各キャラクターの描写が繊細で、登場して間もなく、その人物の性格が読み手に伝わるのが不思議です。」と読者からの感想がありました。キャラクター作りや、描くときに特別に意識していることはありますか?
無意識にですが、キャラにポーズのようなものがついている場合があります。 例えば、強いキャラは体力温存のためか、普段は休憩中のライオンみたいにぐたっとしてます。オウニやシュアンは他のキャラが立ってても座ってたり寝転んでたり…。 対してチャクロやスオウは立ってるほうです(笑)
ポーズがつくと、一瞬でその人物らしさが出るような気がします。 あとは、たとえおバカでもダメ人間なキャラでも、愛されるように描いてあげたいといつも思っています。
Q. キャラクターや物語を生み出すにあたって、影響を受けたマンガや小説などのエンターテイメント作品はありますか?
子供のころジブリの映画が大好きでした。本作以前はスポーツ物やホラーをやっていましたが、ファンタジーを描くようになってからジブリっぽいと言ってもらえるようになりました。
あとは、普段は漫画より小説を読むほうが多いです。自分で登場人物や光景を絵的に想像できるのがが楽しいので…。読んだ小説から思い浮かんだビジュアルに、影響を受けていることがあるかもしれません??(わかりにくくてすみません)
Q. 男の子と女の子、それぞれ誰が1番描きやすいですか?
展開によって描きやすさが変わってしまいます。おばかなロハリトが描きやすかったですが、シリアスは悩みました。 ギンシュ姉さんも勝手に動いてくれますが、シリアスは難しそうに感じます。 …要するにちょっとおばかさんが描きやすいんだと思います。賢いキャラを賢そうにするのは苦手です。 …理由はあえて考えないようにします(笑)
Q. 12巻の巻末に泥クジラのファッション事情がありましたが、他に泥クジラで流行したものがあれば教えてください。
若い子達が多いので、おそらく色んなブームがあったのだと思います。泥クジラでできた独自の遊びとかが、流行ったり廃れたりを繰り返していると思います。流行語などもあったかもしれません。
Q. 無印の長命というのは、印に対して長命ということでしょうか?泥クジラの無印、印の寿命について教えてください。
無印は印に対して長命ということで、普通の人間と同じくらいの寿命です。孤立した島なので環境的に物資が乏しく恵まれているとは言えませんが、外界から疫病などが入ってこず、竹林や畑の作物の育ちがいいので、無印は60代以上まで存命することが多いです。 対して印は個人差があるものの、20代になると生命力が徐々に弱まってきて体力が低下したり寝たきりになったりしていきます。 20代半ばから後半で亡くなる場合が多く、30代以上まではなかなか生き残ることはできません。
Q. シュアンはオウニのようにウイジゴケを連れていませんが、どのようにヌースファレナから命を分け与えられているのでしょうか。
シュアンはオウニと全く同じ存在というわけではありません。それゆえ、シュアンはオウニに対して複雑な思いを抱いています。
彼ら二人にまつわる過去についてはいずれ描かれることがありますので、楽しみにしていてください!
Q. 読者の方からの感想で、「画面から音楽や香りを感じる事が多い」とありました。 原稿を描かれる際に聞かれている音楽などありましたら教えてください。
音楽はネームの時は歌詞がない方が集中しやすいので、クラシック音楽をかけることが多いです。悲しい音楽が好きで、悲しい曲リストを作っています。
あとはアニメ化、舞台化したときのテーマソングやサントラも、もちろんイメージが作品にぴったりなので、よく聴いています。どの曲も今でも大好きです…!
仕事場は少し殺風景ですが、照明器具だけは好きでいくつか置いています。(写真参照)
デジタル環境だと液タブ(液晶ペンタブレット)やモニターへの天井照明の写り込みが気になり、以前は困っていました。試しにフロアライトやクリップライトなどの間接照明を好きな位置に置いて、暗めの明かりを複数とってみるとわりとうまくいきました。
面白いデザインのものにすると、隠れ家みたいで楽しいです。机は昇降デスクで、立って原稿もできます。アナログ画材は道具箱に収納しています。
Q. 梅田先生の中でかっこいいと思う男の子の仕草やかわいいと思う女の子の仕草があれば教えてください。
男性キャラはかっこいいより可愛いとか色っぽい仕草が好きです。逆に女の子は勇ましい行動やポーズが好きで、かっこよくしたいです。中性的に寄せるというか、ギャップがある感じがいいと思います。
Q. アニメ化や2回に渡る舞台化など、メディアミックスの展開が様々ありましたが、アニメ化や舞台化されてよかったこと、嬉しかったことなどありましたら教えてください。
原作だけを読んでくださった方々だけでなく、色んな人たちにチャクロたちを知ってもらえたことが嬉しかったです。
アニメも舞台も完成度が高く、よほどいい仕事をしなければこんな幸せはもうないと思いました。 アニメ、舞台、それぞれの分野の人たちの仕事を見られたことも意義深いことでした。才能のある方々が一生懸命に取り組んでいただいていることが身近に感じられました。また、面白い人たちも多かったので、キャラクターを造る時の参考にしています(すみません…!)改めて関係者の皆さま、ありがとうございました!
Q. 最後にファンのみなさまへメッセージをいただけますと幸いです。
長期連載だと商業的に最後まで描き切ることは難しい場合もあるため、全てちゃんと描き切ることが最初からこの作品の一番の目標でした。
予定していたラストの展開にも近づいているので、今描いているところで最後の大きな流れに入ったと思っています。ストーリーの流れはだいたい決まっていますが、キャラクターたちがどうなるかは決めきれていない部分もあり、自分もハラハラしています。 今回のサイン会での読者さんのご感想でも、「○○を幸せにしてあげてください!」といくつか書いていただきました。幸せにできるかはわかりませんが(?)、できるだけ良い見せ場を作ってあげたいと思っています。
まだ巻数はいくらかかかるとは思いますが、チャクロたちを最後まで見守っていただけたら嬉しいです…!
eBookサイン会限定商品は
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eBookサイン会のためだけに描き下ろししていただきました!!
『クジラの子らは砂上に歌う』第12巻(電子書籍)はオウニ&チャクロのイラストつき!
『クジラの子らは砂上に歌う』とは?
『クジラの子らは砂上に歌う』(C)梅田阿比(秋田書店)
時は砂刑歴93年。砂がすべてを覆い尽くす世界。
砂の海を漂う巨大な漂泊船“泥クジラ"で暮らす少年チャクロは、未だ見たことのない外の世界に憧れを抱きつつ、仲間たちと変わらぬ日々を過ごしていた。
そんなある日、突然漂着した廃墟船の中で1人の少女と出会うことをきっかけにチャクロの物語は動き出す…。
外の世界に触れたことのない子供たちが希望と絶望入り混じる世界で葛藤し、"生きる"とは何か、“感情"とは何かを繊細に、そして壮大なファンタジーとして描かれているのが魅力の本作。
2016年舞台化、2017年TVアニメ化、また海外の漫画賞も受賞し、様々なメディアから近年注目を集めている。
クジラの子らは砂上に歌う(1)
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