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本 ストーナー

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本-ストーナー
著者: ジョン・ウィリアムズ (著)
東江一紀 (訳)
定価 ¥2,808(税込)

商品情報

出版社名
作品社
発行年月
2014年 09月
ISBNコード
9784861825002
版型
--
ページ数
333P
平均評価
(4)
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ブクレポ
2件

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ジョン・ウィリアムズ OFF
東江一紀 OFF

内容紹介

半世紀前に刊行された小説が、いま、世界中に静かな熱狂を巻き起こしている。
名翻訳家が命を賭して最期に訳した、“完璧に美しい小説”。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

ブクレポ (レビュー)

ニックネーム: こたろう 投稿日:2017/07/30

平凡で胸に残る人生

1965年に発表されたアメリカの小説で、アメリカではあまり評価されずフランスをはじめヨーロッパの各国で紹介されて評価が高まった作品のようです。


内容紹介の「完璧に美しい小説」とは感じませんでしたが、丁寧で静謐な雰囲気をたたえたストーナーという大学の教師をしていた男性のいっけん凡庸で変化の乏しい、さして脚光も浴びなかった生涯を綴った作品です。
あとがきにもありましたがアメリカでうけなかったのは、主人公が生真面目で地味で華やかさに欠ける生涯を送る物語だからでしょう。
アメリカンヒーローとは真逆の生き方というべきでしょうか。


アメリカの貧しい農家に生まれたストーナーは大学で農学を学び始めますが、質素な身なりで親戚の家で住み込み朝夕手伝いをすることで最低限の住まいと食を得ることができます。
貧乏は当たり前のことで、粗末な身なりも気にならない生真面目な性格が生涯つづきます。
そして学ぶ途中で英文学に惹かれ、大学の講師として残ることを決めます。
不器用で一面頑固でもあり、妥協を自らに許さない生真面目さが災いして敵を作り、熱愛のすえに一緒になった妻とも一緒に暮らしだしてから齟齬というかお互いの違いに気づき、けれど離婚など消して考えず、ようやく授かった一人娘をそれぞれのやり方で愛し、ある意味愛しすぎて疎まれ、そんな思うようにいかない日々を暮らすしかない哀しみを綴った小説です。


それでもストーナーは教え子のひとりに、通い合うものを感じて不倫とかではなく結ばれ幸せな時を過ごすことができます。
今なら世間がどう言おうと心の通わない妻とは別れて、信じあえる才気ある女性キャサリンと一緒になることを選ぶのでしょうが、おそらくストーナーはそんなことを考えてもみなかったでしょう。


いい加減で嘘つきでもある学生、ウォ―カ―をめぐる処遇の判断でもストーナーは実直で妥協できいない性格が災いし(どう読んでも彼が正しいのですが、だから彼が支持されるわけでなないのです)あとから入ってきた後輩の教師に恨みを買い、それは生涯ついてまわります。


懸命に生きて死んでいく。なんと地味で一見意味のなさそうな生涯なのか、そしてなんと賢明で実り多い生涯だったのかと、読み終わって感じる後味の作品でした。


訳された東江さんは病を押して翻訳を続けられたそうで、あとがきで編集に協力された布施由紀子さんという方が
「人はだれしも、思うにまかせぬ人生を懸命に生きている。人がひとり生きるのは、それ自体すこいことなのだ。非凡も平凡も関係ない。がんばれよと、この小説を通じて著者と訳者に励まされたような気持になるのは、わたしだけだろうか。」と書かれています。
そんなことがも胸に染みてきます。

ニックネーム: まい 投稿日:2015/03/21

静かに、ひそやかに語られるストーナーの人生

20世紀アメリカの作家ジョンウイリアムズの長編小説。『ストーナー』は著者の1965年の作品であり、刊行当初はそれほど評価を受けることはなかったようだ。ところが、2006年に復刊したことにより再度注目を集め、まずフランスを皮切りにヨーロッパで次々と翻訳され、追ってアメリカでもベストセラーとなったという。

物語はコロンビアの大学で英文学の教鞭をとるウイリアム・ストーナーの生涯をたどる。農家の一人息子であるストーナーは幼いころより家業を助け、労働に励んでいた。高校を終えたかれは、地域の農事顧問の勧めより、大学の農学部に進学することになる。大学近くの親戚の農家に寄宿し、そこでも農作業を手伝い、勉強に勤しむ。与えられた役割をこつこつとこなす毎日の中で、ある日かれは、基礎課目の1つである英文学の授業でシェイクスピアのソネットに出会う。ストーナーの中で何かが変わる。世界がまるで違ったふうに見える。翌年、ストーナーは農学部を離脱し、英文学の科目を履修する。

それから、かれは生涯を母校の大学で過ごすことになる。恩師の推薦により教職を得て、英文学の講座を受け持つかたわら、一冊の本を上梓し、また、家庭をもち、マイホームをもち、こいびとをもつ。

仕事でも、家庭内でも順当にはいかない事情を抱え、あまり幸福でない、とはいえ、大きく不幸でもない生涯を送ったストーナ。さえない、平凡な人生をつづったこの物語の中で印象を残すのは主人公の静かで強い人間性である。

ストーナは前向きに、意欲的に人生に取り組むタイプの人間ではない。さまざまに引き起こる問題や、他者の負の感情に対し、かれは積極的に問題の解決をはかることよりも、状況を受け入れ、やりすごすことを選ぶ。

一方で、自分で決めたことでは考えを変えようとはしない。ストーナーの中に起こる変化はいつも静かだが、かれが自分で一度決めたことは強固な決定事項となるのである。文学を志したとき、結婚をしたとき、大学内で同僚と対立したとき、かれは周囲の状況や自己の損得をもう鑑みず、ただ、自分を曲げないということを貫きとおした。

自我の中にかたい殻をもち、自分を変えない以上、相手にも変わることを求めない。その中で自分にできることはこつこつと、全力で取り組んでいく。その姿勢はあくまで、静かでぶれがない。白い表紙の装丁が印象的な本だが、まさに本の装丁そのままに、静かにひっそりとそこにあるのに、どうしてだか引きつけられる、いつまでも心に残る物語である。
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